かつて私は世間が「災害同時多発状況」に入ったのでは、という観測を述べたことがある。昨今なぜか前代未聞の災害が頻繁に起こっているように思えたからだ。
ところでイタリアは火山国で、その象徴は言うまでもなくシシリアのエトナ山とカンパニアのウェスビオ山だろう。特に後者の影響をこれまでしばしば受けてきたのがナポリで、この街の守護聖人が聖ジェンナーロである。私は、彼がディオクレティアヌスの大迫害時代の殉教者とされているのを知ってから、サバティカルその他でのローマ居住中に聖ジェンナーロがらみの故地ナポリ(大聖堂に聖遺物保存)やポッツオリ(斬首地)を幾度となく尋ね、とうとう彼の遺体埋葬地ベネベント(実態は石棺の存在)再訪までしたのを思い出す。
特に印象深かったのは、聖人の祝日の9月19日のドゥオーモでの大祭で(他に2回ほど大祭があった)、日本と同様にこの祝日に門前市が立って盛況だったことと、そこでの定番のヌガー、トッローネを囓ったこと。テレビ中継も入っていて、もちろん大聖堂は満員で、そこで枢機卿による聖ジェンナーロの血の溶解の奇跡が実演された。
この祭の大略については、以下参照。これ読んで思いだしてしまった:https://wien2006.livedoor.blog/archives/52432894.html
当時、イタリアでは18歳の国民皆兵の徴兵義務があって(2005年に志願制度になったらしい)、その召集日が9月のこの大祭ごろだったせいで、このころ南を鉄道旅行すると、さながら年中行事風に、駅毎に親族と別離する若者の涙涙の別れの場面に遭遇し、我らはそれを窓からのぞき見していたわけだ。

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