投稿者: k.toyota

世界キリスト教情報第1634信:2022/5/16

≪ 目 次 ≫

▽ロシア東部攻勢、進展わずか=米国防総省分析
▽ウクライナ初代大統領のレオニード・クラフチュク氏死去、88歳
▽ウクライナ難民、600万人超に=国連国連難民高等弁務官事務所発表
▽シン・フェイン党が初の第1党=英領北アイルランド議会選
▽南米初、コロンビアが自死介助を合法化=本人による致死薬服用を認可
▽香港、陳日君枢機卿や歌手を国安法違反容疑で逮捕
▽教皇、7月下旬カナダ訪問へ
▽「テンプルトン賞」今年の受賞者はノーベル物理学賞受賞者のウィルチェック氏

 今回は香港情報を。

◎香港、陳日君枢機卿や歌手を国安法違反容疑で逮捕
【CJC】香港で、中国政府に批判的な陳日君(ジョセフ・ゼン)枢機卿やポップ歌手の何韻詩(デニス・ホー)氏に加え、弁護士の呉靄儀(マーガレット・ン)氏、学者の許宝強氏が、香港国家安全維持法(国安法)の「外国勢力との結託による国家安全危害」違反疑で逮捕されたことが5月11日、明らかになった。

 警察は、外国あるいは国外組織に対し、香港に対する制裁を科すよう要請した疑いで、45~90歳の男2人、女2人を逮捕したと発表した。全員が保釈されるが、旅券は没収されるという。

 4人はいずれも、2019年以降に香港で行われた大規模な民主化デモで、当局に拘束された参加者の弁護士費用や医療費の支払いを支援する「612人道支援基金」の運営に関与していた。昨年8月に中国系紙が「犯罪者を支援している」などと批判、警察が国安法違反の疑いがあるとして同基金の捜査を開始、基金は運営停止に追い込まれた。

 陳枢機卿は同日夜に保釈され、記者団に手を振りながら市内の警察署を去った。何氏も保釈された。何氏は昨年末にも、民主派系ネットメディア「立場新聞」(運営停止)の代理編集長たちとともに、扇動出版物発行共謀の疑いで逮捕され、その後保釈されている。□
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ウクライナ戦争終結に向けて

   これまでになく至極説得的な論説が5/12に出てきた。

「“米国の罠に嵌った”ロシアが今後背負う十字架:「窮鼠猫を嚙む」最悪の事態に発展の可能性も」(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/70070?utm_source=editor&utm_medium=mail&utm_campaign=link&utm_content=top)

 こういうバランスのとれた見解に接することができるのは嬉しい。

[追記]5/14 同様に、以下のような冷静な経済予測も出だしている。「ロシア経済は本当に崩壊寸前なのか?西側メディアが報じぬ「経済制裁が効かない」ワケ=高島康司」(https://www.mag2.com/p/money/1187404)

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世界キリスト教情報第1633信:2022/5/9

≪ 目 次 ≫
▽プーチン大統領、ウクライナ侵攻「正しい決定」と演説
▽教皇、キリル総主教にプーチン氏の「侍者になるな」と叱責
▽「ヒトラーにユダヤ人の血」=ロシア外相発言でイスラエル反発
▽ロシア元首相、マリウポリ訪問 プーチン氏の側近、支配を誇示
▽EUがロシア正教会キリル総主教への制裁検討
▽教皇、岸田首相と会談
▽教皇が右膝の痛みがひどく車いすを使用

 今回は最後のものを紹介する。

◎教皇が右膝の痛みがひどく車いすを使用
【CJC】バチカン市発ロイター時事によると、5月4日に岸田文雄首相と会談したばかりの教皇フランシスコ(85)は5日、バチカン市内で行われた行事に車いすに乗って現れた。右膝の痛みがひどく、歩けないという。

 4月中も痛みを理由に行事の中止や短縮が繰り返された。壇上で10メートルを歩くのに側近の助けを借りる姿も目撃されていた。□

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情報の落差、事実を知る勇気

 1ヶ月前発信の以下の記事を5/7になってようやく読んだ。そこでの叙述はこれまでの一方的に煽るような日本のマスメディアとはひと味もふた味も違っていた。

「ロイター編集 アングル:後ろ手に縛られ頭部に銃弾、キーウ近郊ブチャの惨劇」(https://jp.reuters.com/article/ukraine-crisis-bucha-idJPKCN2LX0AF)。

「ロイターは、死亡した住民を誰が殺害したのか、独自に確認することはできなかった」。実際にはその大部分がロシア側によるものだったにせよ、これが事実検証以前においては正しい態度のはずだ。数字も十把一絡げでなく、数百の死体の中で処刑スタイルで射殺されていたのは約50人と明記しているのも正しい情報の提示の仕方である。米欧のマスコミの一部には至極まっとうなその態度があったのだが、これがNHKをはじめ日本のマスメディアにかかるとなぜか欠けてしまい、大幅に水増しされ捏造された「大本営情報」に歪曲されてきたことを思い返さなければならない。距離をとって死体をそれなりに見せているのも、私には戦場の写真として当然の手法と思える(それにしたって、死体の実態はこんなきれい事のみではありえないが:悲惨さは本物の写真を見ることでしか愚者には伝わらない:同じ思いを私は東日本震災で人々を襲った悲惨な状況を、マスコミが隠匿していたと感じてきた。真実は現場で処理した自衛隊員たちが知っている)。

 ウソだと思うのなら、状況は違うが、原爆下での大沢(旧姓・吉川)美智子さんの以下の体験記のご一読を。https://suiyukai.com/?p=2269 これが、アメリカによるジェノサイドよる77年前の日本の非戦闘員(いつの場合も、単純にそうとは私は思っていないのだが)の受けた悲惨な状況の一端だった。その手記の最後の言葉を掲げておこう。「再びこの運命に陥る人のないことを切に願って やみません」。このとおりいっぺんの言辞の真の思いは体験者でないと本当には伝わらないであろう、残念ながら。

 5/7の午前2時、なんと45年前の1978年のドラマ「天城越え」(主演:大谷直子)放映のあと、松本清張関連で戦後の立川の米軍基地とか赤線の話などをやっている(NHK総合「新日本風土記:松本清張昭和の旅」)。今の若い人も今こそこの暗い清張の昭和史の小説を読んで学んでほしい。いやドラマを見るだけでもいいから。誓っていうが、過去の話ではないのだ。

大谷直子は情感溢れる芳紀28歳。清張を巡礼役で登場させたのは、特異なディレクター和田勉の仕掛けだろう
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Solidus金貨の相場

 コンスタンティヌス大帝が導入した流通貨幣ソリドゥス金貨を一つはほしいものだと常々思ってきたが(大帝以外のものは二つ持っている)、今般のCNGのオークションに比較的多くの金貨が登場していて、ま、入手するには高額すぎたが、いい機会なので他との比較がしやすかった。

 ちなみに出品されたコンスタンティヌス大帝のソリドゥス金貨は、20mm、4.27g、11h、324-5年ニコメディア打刻で、裏面図像は着座の女神ウィクトリアであるが、業者表示価格2500ドルのところ、現在入札数1で1500ドルとなっていた。あと12日間あるので、どこまであがることやら。だからというわけではないが、こういった金貨が流通貨幣だったとは、私には正直いってにいまだに信じられないわけで。

  1世代前のディオクレティアヌスの294年ローマ打刻のアウレウス金貨(19.5mm、5.69g、7h)は、業者表示価格2000ドル、入札者2名段階で1300ドル。それ以前の諸皇帝は1500〜2000ドル(現在900〜1300ドル程度)、高くて3000ドル(現在2000ドル付近)が多い。

  コンスタンティヌス以後だと、5世紀初頭打刻のホノリウスの、ラヴェンナ打刻ソリドゥス金貨(21mm、4.46g、6h)は、業者価格400ドル、入札数5で475ドル。その後も、500〜750ドル(現在350〜475ドル)と、他に比べると比較的お手頃の価格になっている。

【追記】締切まで5時間を残す時点で再訪してみたら、ほとんどの金貨は業者想定価格を超える値段になっていた。ちなみに私が着目していたコンスタンティヌス大帝のソリドゥス金貨は、入札者10名で$4250、ディオクレティアヌスのアウレウス金貨は$2750、となっていた。締切直前の駆け込み入札が常態なのでさてどこまで行くことやら。とほほ。

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田中宇氏の獅子吼を読んで情報バランスをとる

「人の噂も75日」という。日々生きていくのに忙しい大衆の関心は長続きせず、飽きちゃうのである。そしていつしか忘れ果てる。今回の戦争が始まって、そろそろこの75日が近づいているが、気のせいかウクライナ関係の論説が激減してきたように思えるから、飽きちゃうのは知識人も同じような気もしてくる。本当はこうであってはならないのが知識人のはずなのだが。

 そんななか、いつもかなり角度のある持論を展開する田中氏が、相変わらず意気軒昂であれこれ書きまくっている。「ウソだらけのウクライナ戦争」(https://tanakanews.com/220503ukrain.htm)を5/3に書いているので、興味ある人には一読をお勧めする。

 彼の論調の端々までも私は納得しているわけではないが、大本営発表を鵜吞みにしてはならないとはよく聞く格言であるが、日本のマスメディアは米国側の大本営発表を垂れ流しにしてきた、という彼の指摘はその通りだと思うからである。

 マスメディアのほうも一時の悪のロシアというレッテル貼りがだいぶ薄れてきて、それなりに読ます内容がようやく目につきだしている。

「「発言するほどロシアの術中」核の瀬戸際外交、専門家がみる米の過ち」(https://www.asahi.com/articles/ASQ4Z45WRQ4WUHBI02L.html?ref=mor_mail_topix1)

「ロシア兵を「残虐」にしたものはなにか ウクライナに学ぶ日本の安全保障」(https://mainichi.jp/premier/politics/articles/20220422/pol/00m/010/016000c?cx_fm=mailhiru&cx_ml=article&cx_mdate=20220425)

「ウクライナ戦争で“大儲け”のアメリカ。最も利を得たバイデンの胸中」(https://www.mag2.com/p/news/536122?utm_medium=email&utm_source=mag_W000000001_fri&utm_campaign=mag_9999_0422&trflg=1)

「プーチンの「モンスター化」を助けた米国が犯し続ける対ロ政策の失敗」(https://www.mag2.com/p/news/536125?utm_medium=email&utm_source=mag_W000000001_wed&utm_campaign=mag_9999_0420&trflg=1)

 それにしても、我が祖国は75年間戦争行為に直接捲き込まれることがなく、2世代半を平和ボケの中で過ごしてきた。他国で何が行われていようが、それは他人事だったわけだ。その挙げ句、平和教育なるものは行われてきたにしても、その効果は上滑りだったことが今回暴露されているように思う。大本営発表に唯々諾々と従ってしまうのだから。

 残虐行為はどちら側でも行われてきた(第2次大戦後の占領地で戦勝側の連合軍兵士が何をしてきたか、ちょっと調べれば分かるはずなのに、それに触れることは余りにも少ない:何が言いたいのか分からない人がいるだろうから書いておくが、米兵の強姦のことだ。ドイツはもとよりフランスでも大問題だったらしい。日本ではしょうがないので政府のお声掛かりで5000人の娼婦を集めて対応したそうだ。それが沖縄では今でも生じている現実がある)。愚かなる人間は過去の歴史に学ばないのである。そして、戦争とは残酷なものだという実態を体験していない世代は、なすすべもなく再び過ちを犯してしまうしかないわけだ。

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世界キリスト教情報第1631,2信:2022/4/25,5/1

 今日は、このところ不定期になっていて2通送られて来たので、合わせて掲載する。ひょっとして管理者さんの健康問題かもと心配である。今回は教皇がキリル総主教の会談を延期したことを紹介する。+

≪ 目 次 ≫
▽国連事務総長がウクライナ侵攻巡り4日間の「復活祭」停戦呼びかけ
▽製鉄所の掌握継続、ロシアのマリウポリ制圧宣言は「時期尚早」とウクライナ高官
▽教皇、親プーチン氏のロシア正教会トップとの会談延期
▽東ティモール大統領選=ノーベル平和賞の元職ホルタ氏が勝利宣言

▽「平和が可能であることを表す勇気を」=教皇、東方教会の復活祭に
▽ウクライナ側、民間人退避へ停戦交渉をロシア側に提案=マリウポリで交戦継続
▽グテレス国連事務総長、ウクライナ侵攻の仲介役としては限界
◎教皇、親プーチン氏のロシア正教会トップとの会談延期
【CJC】教皇フランシスコは4月22日付のアルゼンチン紙ナシオン(電子版)のインタビューで、6月にエルサレムで予定していたロシア正教会のトップ、キリル総主教との会談を延期すると述べた。ローマ発読売新聞(笹子美奈子記者)が23日伝えた。

 教皇は、ロシアによるウクライナ侵攻で多数の犠牲者が出ていることを非難し、停戦を呼びかけている。一方、プーチン大統領と関係が近いキリル総主教は、侵攻を支持する発言で物議を醸している。

 教皇は同紙とのインタビューで「ロシア正教会との関係は良好だが、この時期に会談するのは外交上、混乱をもたらす」と述べた。□
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今年も味わえるささやかな口福:タロッコ・オレンジ

 いつも購入している業者からたくさんのパンフが送られて来た。以前紹介したことのある季節の果物、シシリア原産の「タロッコ・オレンジ」である(本来のシシリア原産はドス黒い赤みが表皮にも出ている「モロ種」で、タロッコはスペインの「サングイネッロ」の変種、という説もある:生食は前者が向いている)。

 時期的に3月頃から5月までのものなのに、あれこれ取り紛れていたが、業者からの便りで気がついた。さっそく安い家庭用訳有り5Kgを発注してみようと思う。戦争のない幸せをしみじみ思う。

 興味あれば「ブラッドオレンジ」でググれば販売業者がでてくるが、瓶詰めなんかの還元ジュース(モロ種)じゃなくて是非ともタロッコの生食を試してほしい。

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ボロが出だしたウクライナ側情報

 ウクライナ当局はこれまでさんざん非戦闘員の民間人、とりわけ子供への被害を映像を含めて訴えてジェノサイドなどと公言し(実際には皆殺しはしていない)、それに対して米欧日のマスコミはほとんど検証抜きでそのまま垂れ流ししてきたのだが(原発攻撃なんてのもその類いのフェイク)、ウクライナが一線を越えて「化学兵器」の使用を言い立て出したのには、さすがに米欧も「未確認情報」とコメントをつけざるをえなくなったようで、これはマウリポリ陥落目前となって、追い詰められたウクライナが焦りからなり振りかまわず無理なフェイクを叫ばざるをえなくなってボロを出し(実際、この情報はすぐに尻すぼみになってしまった)、そこまで軍事的に追い詰められてきたことの証しとなるはずだ。

 そうこうしてたら、これまで「ロシア軍」「ウクライナ軍」と十把一絡げに表現していたマスコミ(登場の専門家たち)も、ようやくウクライナ軍の中の問題児・極右勢力「アゾフ大隊」について触れざるを得なくなってきて、製鉄工場に籠城している彼らが民間人を楯にしている現実にも目をつぶっておれなくなり、マスメディア報道にちぐはぐさが生じ出しているように、私には思える(4/20放映のBS日テレの「深層NEWS」の担当キャスター右松はこれまで比較的よかったのだが、この日はコメンテーターから無理矢理自説に沿った見解を得ようと躍起になっていて、奇妙な具合だった)。たぶんコメンテーターとしては限られた報道時間内での発言で「これまで聞かれなかったので、触れなかっただけ」と弁解するに決まっているが、マスメディアも勝ち馬に乗り換える時期がきた気配を察知し出しているようで、まことに笑止千万なことである。彼らにとっては視聴率が至上命令という自己都合があるわけなのは明らかだが(視聴者が求めている「事実」を垂れ流すわけ)。

 それにしても単純無辜な我が国の庶民から救援金100億円集まったとのことだが、それは一体どのように使用されるのか、私は大変疑問視している。中にはとんでもない火事場泥棒の輩がいるはずだから(紛らわしい組織名の連中は言うまでもなく、大口の日赤やユニセフなんかだって今後の活動費と称して募金を内部留保しちゃってるらしいし)。政府も自衛隊で不用になったという名目で防衛備品を送るそうだ。その中には廃棄予定品ではないドローンや防弾チョッキも含まれているようで、本来これらの放出は紛争当事国には御法度のはずなんだが。ホントご親切なことである(https://ml.asahi.com/h/aokoaj86mYdolTab)。

 それなのに、ああそれなのに、我が愛する祖国の政府のやることは、いつもどおりなんともはやで、いまさらあきれることもできない絶望的状況だ。経済封鎖品目に肝心の天然ガスは入っていないし、飛行機飛ばしてたった20名たらずの難民を連れ帰って、本気でやっているとはまったく思えない(現地大使館の対応なんか人間味一つもないお役人仕事だ、今回も!:https://mainichi.jp/premier/politics/articles/20220408/pol/00m/010/008000c?cx_fm=mailpol&cx_ml=article&cx_mdate=20220417)。

 佐々木俊尚(ジャーナリスト)「ウクライナ侵攻「正しい情報」見抜くプロの読む力」(https://article.auone.jp/detail/1/3/6/7_6_r_20220305_1646445624237679)を読んだ。彼がいう「読む力」が実際的に役に立つとは私には思えないが(論より証拠、開戦以前に軍事専門家は軒並み把握に失敗しているではないか)、単に自著の宣伝のつもりかもしれないが、ロシアも米欧も当然状況に応じて対抗策を講じるから紆余曲折はあって予測は不可能で、しかし戦争の勝敗の決着についてはそれなりに明快に示されるはずなので、彼の所説の正否はいずれ明らかになるであろう。

 私は東欧事情にも軍事にもド素人なので、戦闘の帰趨など分かりはしないが(申し訳ないが、せいぜい頭の体操レベル)、今次のロシアの主目的は最初から東部制圧であって、その意味でキエフ侵攻は本筋ではなく(そこでの脅しでゼレンスキー大統領がさっさと国外に逃げ出せばそれもよし、という観測があったにせよ)、戦術的な牽制・陽動作戦にすぎず、派遣ロシア軍も未熟なウラジオストックあたりの、演習気分で派遣されてきていた徴集兵主体の東辺部隊で、しかしそれによってウクライナ側も東西に兵力分散を余儀なくされ、それが現在の東部戦線の状況をもたらしているのではないかと想像しているのだが、どうだろう。

 ところで、これまでの情報戦でのウクライナ側の圧倒的優位は、すべてにかかって、民間業者イーロン・マスクが速攻で「スターリンク」を無償提供したことによる、らしい。これは従来の戦争では見られなかった現象と言わねばならない:https://news.yahoo.co.jp/articles/02fc84a64a11177ee98053a75b5422320e9e1397。国家の思惑などどこ吹く風とばかりに、圧倒的な大量の民間動画情報が発信され(もちろん、悪質なフェイクも含まれるが)、それがほとんど検証もされずに国際世論を動かすなど前代未聞の近未来型情報戦の登場である。

 フェイクニュースの横行と拡散を規制する対抗策がない現状では、しかしかつての流言飛語(関東大震災時を想起せよ)とどれほどの違いがあるというのか、はなはだ疑問とならざるをえない。かえって新コロナ対策で成果を収めた中共のように制度的な情報統制が強まるのは必至で、これがかえって民主主義を標榜する米欧においても情報分断を深める結果になりそうだと思っているのだが(目先の利害で動いてしまうのが庶民というもので、容易に衆愚政治となる)、どうだろう。その意味で、まずはフランスの大統領選がどうなるかだ。

 ところで監視カメラ設置数で世界一は英国らしい。それが恐るべき画面フェイクに繫がりかねないというドラマ「ザ・キャプチャー:歪められた真実」(2019年)を見た。ストーリーの設定が特殊すぎて一般論にはならないように私は思ったが、こういった監視システムを英国民は認めざるをえないとしたら、何も隣国中国を監視国家とあげつらってすむ問題ではないように思える。

 

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世界キリスト教情報第1630信:2022/4/18

≪ 目 次 ≫

▽教皇、復活祭メッセージ「キリストの平和が勝るように」
▽エルサレム旧市街聖地で衝突、イスラエル警察とパレスチナ人
▽ウクライナ侵攻で正教会の混乱、孤立するキリル総主教
▽ウクライナのマリウポリでカリタス関係者死亡
▽仏アーティストが「笑顔と人間らしさを」とウクライナに壁画
▽建築家ガウディの展覧会、パリのオルセー美術館で開幕

 今回は、3番目の記事を紹介する。

◎ウクライナ侵攻で正教会の混乱、孤立するキリル総主教
【CJC】ロシア正教会のキリル総主教(75)が、ロシアによるウクライナ侵攻に高らかな祝福を与えたことで、世界中の正教会は分裂の危機に陥り、専門家から見ても前代未聞の反乱が正教会内部で生じている。バチカン市発ロイター通信が伝えた。

 ロシアのプーチン大統領の盟友であるキリル総主教は、今回の戦争について、同性愛の受容を中心に退廃的であると見なす西側諸国への対抗手段、と考えている。

 キリル総主教とプーチン大統領を結びつけるのは、「ルースキー・ミール」(ロシア的世界)というビジョン。「ルースキー・ミール」とは、旧ソ連領の一部だった地域を対象とする領土拡張と精神的な連帯を結びつける構想だという専門家の説明をロイター通信は紹介している。

 キリル総主教の言動は、ロシア国内にとどまらず、モスクワ総主教座に連なる諸外国の正教会においても反発を引き起こしている。

 オランダ・アムステルダムの聖ニコラス正教会は、この戦争を機に、教区司祭が礼拝の際にキリル総主教を祝福する言葉を入れることをやめた。

 「キリル総主教は、まぎれもなく正教会の信用をおとしめた」と語るのは、リバプール・ホープ大学のタラス・ホームッチ上級講師(神学)。ホームッチ氏は、ウクライナのビザンツ式典礼カトリック教会の一員だ。同氏はロイターによる電話インタビューで、「ロシアでも声を上げたいと思っている人はもっと多いが、恐怖を感じている」と語った。

 ウクライナには約3000万人の正教徒がいるが、「ウクライナ正教会」(モスクワ総主教庁系、UOC─MP)と、別の二つの正教会に分裂している。後者の一つが、完全独立系「ウクライナ正教会」。

 UOC─MPのキエフ府主教区大主教であるオヌフリー・ベレゾフスキー師は、プーチン大統領に対し「同胞が相争う戦争の即時停止」を要請し、もう1人のUOC─MP府主教区大主教であるエボロジー師(東部スムイ市出身)は、配下の司祭たちに、キリル総主教のための祈りをやめるよう指示した。

 今回の戦争を批判する正教会の指導者としては、この他にも、アレクサンドリア及び全アフリカ正教会の総主教であるテオドール2世、ルーマニア正教会のダニエル総主教、フィンランド正教会のレオ大主教といった面々がいる。

 キリル総主教の態度は、ロシア正教会と他のキリスト教会の間にも亀裂を生みだした。

 世界教会協議会(WCC)のイオアン・サウカ総幹事代行は、キリル総主教に「停戦に向けた当局の仲介と調停」を求める書簡を送った。

 これに対しキリル総主教は、「あからさまにロシアを敵視する勢力が国境に近づき」、西側諸国はロシアを弱体化させるための「大規模な地政学的戦略」に関与している、と応じた。WCCは両書簡を公開した。

 キリル総主教のプーチン氏支持の姿勢は、バチカンとの関係も悪化させた。

 2016年、教皇フランシスコは、キリスト教が東方教会と西方教会に別れた1054年の「大分裂」以来、ロシア正教会の指導者と面会した最初のローマ教皇となった。双方とも今年2度目の面会を実現したいと希望していたが、専門家の中にはこうなっては事実上不可能と見る向きも出ている。□

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