オーパーツ(時代錯誤遺物)がらみの骸骨5点

 私は、昔からよくケーブルテレビの番組を物色しているが、ナショジオの他に、たまにヒストリー・チャンネルの番組表を眺めて奇妙な感覚にとらわれるのは、堂々と「古代の宇宙人」「地球外生命体」がらみで古代文化を論じている番組が存在するということだった。これが歴史番組なのか?というわけだ。宇宙人が地球に到来して文明を伝授した、で話が終わるのであれば、我々がしている研究なんて無意味だろ、と。だから偶然に、”5 Skeletons Found Holding Things That Don’t Fit the Era”(https://medium.com/predict/5-skeletons-found-holding-things-that-dont-fit-the-era-65c4085f018c)を見つけ、末尾で「そのどれにも、宇宙人の関与など必要ありませんでした。 必要だったのは、私たちより前に生きた人々をもっと高く評価することだけだったのです」との文言に出会ったのは収穫だった。

 さて今回の「オーパーツがらみの五つの骸骨」のうち、古代ローマ関係は、2,3,4の三つであるが、3はエルコラーノの脳のガラス化説でこれはすでに検証・掲載済みなので除外し、4もローマ時代に、新石器時代の遺骨を掘り出してローマ時代のものとなぜか組み合わせて再埋葬したという話なので除外して(いずれもオーパーツにしてはそれほど意外でないのがミソであるが)、ここでは2を紹介しよう。

ニームで発見された、本来なら残るはずのないものを抱きしめた子供 :2024/4/21(The History Blogでは、2024/4/11に既報 https://www.thehistoryblog.com/archives/69946

 フランスのニーム Nîmes(古代ローマ時代は「Nemausus」と呼ばれていた)のボーケール通り(Rue de Beaucaire)で古代の街道「ドミティウス街道」Via Domitiaの発掘調査が行われた際、考古学者たちは前2世紀と前1世紀から後1世紀の間のものと推定される15基のローマ時代の墓を発見した。 大部分は火葬による埋葬だが、土器の水差しやランプと共に埋葬された幼児を含む、少数の土葬も確認されている。

 ここで不可解なのは壺そのものではなく、遺跡全体から出土したガラス製品の状態である。それらはあまりにも保存状態が良く、一見すると、その時代の文脈にはそぐわないほど新しい時代のもののように見えた。

 出土したローマ時代のガラス容器の中には、考古学の常識では考えられないほど細部まで鮮明で、完全な形を保っているものがいくつかあった。通常であれば、後世の混入や、墓への後からの侵入を疑うような状態なのだ。

 しかし、その理由は時代錯誤(アナクロニズム)ではなく、化学的な要因にあった。 ローマ時代のガラスには不純物として鉄が含まれており、それが緑がかった色合いを生み出していた。さらに、埋葬されていた特定の環境(何世紀にもわたる、安定したミネラル豊富な土壌)が、ガラス表面に虹色の輝き(イリデッセンス)を生じさせるような劣化を招くのではなく、むしろ容器の美しさを際立たせるような変化をもたらした場合である。 当時のローマのガラス職人の技術は驚くほど高度なものだった。私たちは古代の工芸技術を過小評価しがちだが、それは歴史教育において、その時代が「原始的」なものとして語られる傾向があるからにすぎない。

 壺を抱きしめた子供の姿は、今も私の心に残っている。ローマ文化では、幼くして亡くなった子供を悼むことは公式には推奨されていなかったが、ここには明らかに深い愛情や配慮が込められた埋葬の跡がある。 その小さな手に握られた品は、子供の死に対する当時の一般的な認識とは相容れないものである。そして、ガラスそのものに関する事実以上に、この「認識との乖離」こそが、この事例における最も重要な点だと言えるだろう。

【幼児がもっていた壺の話題のはずが、それとは別のガラス器の話に移っているのがいささか唐突であるが、ちょうど乳幼児埋葬に関心を持っているので、ま、よしとするか。掲載写真は、以下:https://www.mensjournal.com/news/archaeologists-skeletons-glassware-roman-settlement-france

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