都市インフラの維持と、古代ローマ

 ゴリラの研究家がおかしなことを書いているのを読んであきれた:https://mainichi.jp/articles/20231228/k00/00m/040/172000c?utm_source=article&utm_medium=email&utm_campaign=mailcp&utm_content=20240103

 総じてずれたこと書いているなと思った中で、1箇所だけ「ん」と思ったところがあった。

 都市では「下水道や電力のシステムが至る所に配備され、維持するためのコストが高い。住居は密閉されているので冷暖房の設備が必要で、巨大なビルや工場には膨大な電力を供給しなければならない。」

 論旨はだから田舎住まいがいい、と流れていくのだが、人口減がこれから進む我が祖国は、いずれ都市生活の維持が困難になっていくのは確かで、すでに上水道配管の耐用年限が過ぎていて、いずれ都市財政に大負担となりそうなので民営化が模索されていると仄聞するのだが、最近やたら便利に使っている宅配便なんかも運転手不足でいつまで続くかだし、その上、電力問題が俎上に上がるようになったら・・・、とまあ自分の死後にまで思いは飛ぶのである。 

 実際には先のない身であるので、私自身の近未来への悲観はたんなる空想にすぎないが、私がおい待てよと思ったのは、ローマ帝国の衰退の件であった。ローマ文明の冠たる水道渠にしたところで、素人さんは忘れがちだが、そのメンテナンスには多大な労働力と技術力あってのもので、それらが失われていけば、単なる廃墟構造物に化すだけのことである。地震なんかの天災がその崩壊に追い打ちをかけるのは容易に想像できる。

 これからの日本の歩みは、古代ローマの衰退史の実相を追体験できる恰好の事例のように思えたのでる。

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