カエサレイア沖で「善き牧者」を刻んだ指輪発見

 2021/12/22に、イスラエルの考古遺物局が、ローマ時代の難破船からイエス・キリストの最古のシンボルのひとつである「善き牧者」像を刻んだ金の指輪を発見した、と公表した。八角形の金の指輪は後3世紀のもので、緑色の貴石がはめ込まれており、そこに若者が小羊を両肩に担いだ「善き羊飼い」が掘られていたので、研究者はそれをイエスの姿と主張している。

 この遺物は同時に発見されたカエサレイア沖の2隻の沈没船のうち、ローマ時代のほうから発見された遺物(数百枚の銅貨や銀貨、いずれもブロンズの、ローマの支配を象徴する鷲の形をした置物、喜劇の仮面をかぶったローマのパントミマスの置物、悪霊を追い払うための鐘、など)とともに見つかった。

 もう一艘は14世紀のマムルーク朝時代のもので、600枚近くのコインが発見され、2つの沈没船の間には、水深4mほどの浅い海底に散らばって、陶器の容器、鉄製釘、鉛のパイプ、大きな鉄の錨、複雑な彫刻が施された赤い貴石なども発見された。

 研究者は、赤の貴石も指輪にはめられていたもので、緑の指輪と同じ持ち主のものではなかったか、黄金の指輪が小さかったので女性用で、彼女はキリスト教徒だったのだろうと想定しているが、さてはたしてそんな偶然があるだろうか。

 赤の貴石:これもキリスト教的デザインのダビデないしオルフェウスの竪琴を連想させる。

 同時に、悪霊を追い払うための風鈴風の鐘も出てきてことも興味深い。

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