学術論文代筆業のShadow scholarたち

 NHK BSで、2回にわたってのドキュメンタリー番組(イギリス、2024年作成)。初回をさっきまでやっていて見た。続きは明日23:25からある。

 場所はケニアのナイロビで、そこだけで4万人が、多い順でアメリカ、英国、オーストリア、中国などの学生たちからの要請で、大学生・院生のレポートや学位論文を代筆しているのだという。請け負った方は低賃金ではあるが、数十億ドル規模の業界となっている由。・・・ということは、世界を股にかけてかなりの利用者がいるということ。

 この仕事のおかげで自分の学費を払い、車を買い、妹を大学に行かせ、両親に家を買うことができた成功者もいるらしい。

 ケニアは1963年までイギリスの植民地だったので、そこでの高学歴者は英語が使えるわけで、だがしかし毎年100万人の大卒者に就職先はないという現実の中で、その方が売り込みやすいので白人のふりしてShadow Scholarとなってお金を稼いでいるのだそうだ(https://www.imdb.com/video/vi1443612697/?playlistId=tt33321994&ref_=tt_ov_ov_vi)。

 インタビューアーは自身がケニア人でオックスフォード大学教授の女性。その彼女は、インタビューの中でこの間オックスフォードの学生の学位論文書いたということを聞いて絶句していた。世界でもっとも優秀とされている我が校の在学生が、というわけだ。

 インターネット社会で生まれた鬼子ではあるが、その彼らもAIの進出によって脅かされているはずであるが、逆にそれを利用して稼ぎまくることもできるかもしれない。

 この私のホームページも、利用しようと思えばレポートくらいは軽く書けるだろうな、と思うこともあったし、後続研究者を促してきた面もある。実際、アメリカや中国からのアクセスが時折、という以上に煩瑣な現実があり、私はそれを日本からの留学生がネタを求めて来ているのかなとか、ビッグデータのための巡回リサーチなのか、はたまた知的所有権違反のための調査だったらやばいなあ、とか思ってきていた。

 突き詰めて言えば、わが国の文系の研究者なんて、横文字を縦にして業績稼ぎしていると言えなくもないので、ある意味で同類かもしれないが、しかしそこはそれ、産みのストレスに、頭を掻きむしりながら、やけ食いしながら、不健康な徹夜を敢行しながらやっているので、そこを金払って楽に凌ぎきろうというのは(買う側の女学生で切羽詰まって、だけどお金もないので自分の裸の写真を売って、という発言もあったが)、やっぱりなんだかなと正直思わざるを得ないのだが。上に政策あれば、下に対策あり、というわけか。しかしそれでいいわけではないだろう、と思う私は性格的にTACOにはなれない軟弱者である。

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