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フェイクの円形劇場を作ったお粗末な顛末

  古代ローマの円形劇場を模した人工建造物を建設し、それを「本物の円形闘技場」と称して、見学者から40ユーロを徴収していたイタリア人男性が、長期にわたる法廷闘争に敗れ、収監された。2016年発信情報によると、「丘の中腹に建てられた、やや古びた現代の石材を用いた5,000平方メートルの劇場では、衣装ショーやディナーも開催され、数ヶ月間、彼はかなりの収入を得た。入場料は一人40ユーロで、特に外国人観光客に大変人気があった。彼は違法建築、景観規制違反、無許可の考古学的調査で告発された。敷地内には池も造られていた。」

 「ベリコ海洋円形闘技場(Berico Maritime Amphitheater)」と名付けられたこの施設は、ヴィチェンツァ南部の丘陵地帯に位置し、米軍関係者が家族と共に暮らす人気エリアの一つであるアルクニャーノArcugnanoの、かつては森林だった土地に建設された。長い訴訟の末、このたび有罪の判決が降った。

 所有者であるフランコ・マロッソ氏が主張した「この建造物はテオドシウス大帝の治世下である393年に建てられたものだ」という説は、事実とは程遠い誇張であった。彼はさらに、この場所がユリウス・カエサルやシェイクスピアの架空の登場人物ジュリエット・キャピュレットとゆかりがあり、新石器時代やギリシャ・ローマ時代の遺構も含まれていると主張していた。

 2026/7/30のイタリアの報道によると、同国の最高裁はマロッソ氏の最終上訴を棄却し、違法建築、美術品の偽造、無許可の遺物作成などの罪で下された下級審の有罪判決を支持した。自らを「フランコ・アレッサンドロ・モロッソ・マルタレル・フォン・ローゼンフランツ」と名乗っていた69歳のマロッソ氏は現在、フランス国境に近いリグーリア州で2年4ヶ月の刑に服していると報じられている。

 慈善家、起業家、オーケストラ指揮者、歴史家を自称していた彼は、2005年の地滑りによって、自身が「世界最古かつ最大級の円形闘技場の一つ」と謳っていた遺跡が発見されたと主張していた。彼は何らかの方法で地元の当局者を説得し、この施設をEUの資金提供によるヴィチェンツァ地域の観光ガイドやアプリに掲載させることに成功していた。しかし、地元当局が約10年前に不審を抱いて調査を行った結果、その「遺跡」は実際にはグラスファイバー、コンクリート、漆喰(しっくい)といった、人工的に古びた風合いを出した現代の素材で作られていたことが判明した。当局によると、階段状の石造り座席を備えた半円形のこの建造物は、適切な計画や許可を得ることなく、保護地域内の丘の斜面を掘削して建設されたものだった。さらに、円形闘技場(アンフィシアター)が円形や楕円形であるのに対し、この建造物は厳密には(半円形の)劇場(シアター)の構造をしていた。

イタリアのメディア報道によれば、2016年に市当局がこの偽造工作についてヴィチェンツァの検察に通報した。マロッソ被告側の弁護の一つは、その偽造があまりにも稚拙だったため、誰も騙されるはずがないというものだった。しかし、「ヴィチェンツァ・トゥデイ」紙の報道によると、イタリアの破棄院(最高裁)はこの主張を退けた。イタリア紙「イル・フォリオ・コティディアーノ」Il Foglio Quotidianoのコラムでは、もしマロッソ被告がこの施設を合法的に建設し、古代の遺跡だと信じ込ませようとしなければ、ラスベガスの観光アトラクションのような「偽の遺跡」として称賛されていたかもしれないと指摘している。この欺瞞工作によってアルクニャーノは「イタリア中の笑いもの」になったと、パオロ・ペリザイルPaolo Pellizair前市長が「イル・ジョルナーレ・ディ・ヴィチェンツァ」Il Giornale di Vicenza 紙に語った。同紙の報道によると、この偽の遺跡は現在も残っているが、長年にわたり立ち入り禁止(封鎖)の状態にある。最高裁は、この施設を撤去し、元の状態に復元するよう命じた。

【余りにイタリア的な、冗談もここまでやるかという三文芝居だが、たぶん外国人の見物客はアメリカ軍人たちとその家族が多かったのだろう、と私は想像する】

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ベスビオ噴火での脳のガラス化再考

 あれこれ検証していたら、2020/2/1に書いた件で(「脳が溶けてガラス化?嘘でしょ:エルコラーノの遺体より発見」https://www.koji007.tokyo/wp-admin/post.php?post=12588&action=edit)、再考をうながす記事が掲載されているのに行きついた。

 2025.03.17発信「ベスビオ噴火で脳がガラス化した謎を解明、新たな論文で議論再燃:ガラス化のプロセスは可能か、そもそも発見されたのは脳なのか」(https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/25/031100133/

 まあ、私が直感的に「嘘でしょ」と断定したのを、専門研究者たちが傍証してくれているわけだが、それにしてもガラス化を主張した研究者たちが未だ実験データを公表していないのはどうしようもない。じっさい、私の知っている件で、イタリア人研究者が華々しくメディアに公表して、しかしいっかな元データを提示しないのはよくあることで、まことに残念と言わざるを得ない。例えば、コンスタンティヌス大帝のアーチ門最上階で発見の銘文とか、ポンペイ出土のティトゥス貨幣の打刻数字とか。いずれも発表者は若い女性研究者だった。彼女らが一発屋で終わるのもイタリア的な人生なのであろうか。

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「トリノの聖骸布」のDNA分析で新見解

2026/7/26発信「「トリノの聖骸布」のDNA分析結果」(https://agora-web.jp/archives/260724193519.html#google_vignette

この記事の元情報は、2026年7月のScientific Reports誌に掲載された「DNA signatures preserved in the official 1978 sample collection of the Shroud of Turin」である。

  このリンネル布は、世界で最も研究されている考古学的遺物なので、時代により調査によりこれまで種々の真贋説が提出されてきた(https://ja.wikipedia.org/wiki/聖骸布https://www.cnn.co.jp/fringe/35237752.htmlhttps://www.youtube.com/watch?v=EaPe8tuXkts:最後のは情報それ自体は正確としても、画面に出てくる日本語はやたら間違っている)。

二つ折りの聖骸布の裏表:右半分が表側

 今回の調査で、リンネル布には、それが流転してきたユーラシア大陸の各地の刻印が明確となったといえる。これが今回の調査の一大成果である。イエス時代のもの、いわんやイエスの死体を包んだものではない、という遠回しの結論でもある(同じ結論がすでに14世紀に提出されていたことが、改めて評価されているようだ:https://www.popularmechanics.com/science/archaeology/a70772938/oresme-fraud-shroud-of-turin-discovery/)。

 ところで、最近改めてシリアのエデッサを調べていたら、いわゆる「マンデリオン」、正教会でいうところの「自印聖像」が出てきた。これと新約聖書外典(というより偽典:『ティベリウスの治癒』Cura sanitatis Tiberii)に出てきてサンピエトロ大聖堂などの聖遺物として巡礼たちを呼び寄せてきていた「聖顔布」(ヴェロニカの布)とは別物であるが、いずれもイエスの治癒能力に関連していて中世において同一視されるようになったわけだが、その図像的流転もなかなか興味深いものがある(https://mementmori-art.com/?p=118)。

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「とんでもブログ」が飛び込んできた:もはや”核戦争は不可避”と

 一読して、やたら日本語おかしいのが気に入らないが。急いでアップしようとしたせいなのか、下手な翻訳=欧文からの孫引きなのか・・・。

2026/8/4発信「トランプがイランに「核使用」ならプーチンはウクライナへ。もはや“不可避の核戦争”とその後の世界を救うため日本が進めるべき準備」(https://www.mag2.com/p/news/682352?utm_medium=email&utm_source=mag_W000000001_tue&utm_campaign=mag_W000000001_20260804

 そうなってほしくはないが、こういった近未来的視角が今の危機感のうすい若い人たちに対して必要なのかもしれない、と私などつい思ってしまう。

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ナショジオで、3回のポンペイ特集放映中

ナショジオで、60分×3話での「ポンペイの失われた物語 WITH トム・ヒドルストン」(https://natgeotv.jp/tv/lineup/prgmtop/index/prgm_cd/3603)が現在放映中。

第1話:見過ごした前兆 2026/7/23 23:00

俳優トム・ヒドルストンが、西暦79年のベスビオ山噴火によって消滅した町ポンペイを訪ねる。トムは古典学者の力を借りて遺跡から発掘されたラテン語の碑文を読み解き、十代の男の子アウィアニウスと公衆浴場の女性経営者ユリアが噴火を生き抜いた可能性があると知る。そこでトムは、考古学的な証拠と火山科学の知識と災害心理学者の話、さらに俳優としての想像力を組み合わせながら、噴火までの間に2人がどう行動したかを探る。

第2話:名もなき近衛兵の功績 8/8 08:00

ベスビオ山噴火の状況を調べていた俳優トム・ヒドルストンは、当日の様子が記された小プリニウスの書簡集を知る。その内容から、ポンペイ近郊のヘルクラネウムにローマ軍艦隊が停泊していたことと、近衛兵が1人存在していたことが分かった。学者から「ヘルクラネウムでは遺体があまり発見されなかった。」と聞いたトムは、この近衛兵の指揮で人々が助け合いながら船で海岸を脱出し、互いの命を救ったのではないかと想像する。

第3話:尊い決断  8/9 23:00, 8/15 08:00

トム・ヒドルストンは、フェリクス家の祭壇の前で高価な宝石を身につけた女性の遺体が発掘されたと聞いて、ユリアは他の人々を避難させ、自分だけが残って神に祈りを捧げていたのではないかと想像する。一方、アウィアニウスが青銅職人の養子になったことを示す碑文を読み、噴火を生き延びたことを喜ぶ。トムは歴史的証拠に想像力を加えて過去の出来事を物語として語ることで、今の自分自身を理解し、そして未来さえ学べると話す。

 以下は、Cornell Chronicle(https://news.cornell.edu/stories/2026/07/will-julia-felix-survive-classics-prof-case-pompeii-tv-series)に掲載された紹介文。

Cornell archaeologist Caitie Barrett is a guide to daily life in the ancient Roman world on Pompeii: Out of Time, a three-episode recreation of the famous disaster set to air on National Geographic July 22 at 8 p.m./7 p.m. C. It starts streaming July 23 on Disney+ and Hulu.
コーネル大学の考古学者Caitie Barrett 女史が、古代ローマ世界の日常生活を案内役として解説する全3話の再現ドラマ『Pompeii: Out of Time(ポンペイ:時を超えて)』が、7月22日午後8時(中部時間午後7時)よりナショナル・ジオグラフィックで放送されます。7月23日からはDisney+およびHuluでも配信が開始されます。


実業家ユリア・フェリックスは生き延びられるか?――ポンペイを舞台にしたTVシリーズで古典学教授がその謎に迫る
執筆:Kate Blackwood(教養学部)
2026年7月16日

時は西暦79年、ローマの小都市ながら裕福な街、ポンペイ。遠くでヴェスヴィオ山が噴火を始め、街中の人々の生活は一変します。レストランの厨房には食事が残され、馬は馬具をつけたまま置き去りにされ、家々からは貴重品が持ち去られていきます。そんな混乱のさなか、実業家のJulia Felixは無事に生還できるのでしょうか?

これは、全3話の再現ドラマ『Pompeii: Out of Time』の核心となる問いの一つです。同作は7月22日午後8時にナショナル・ジオグラフィックで放送され、7月23日からはDisney+とHuluで配信されます。古代の日常生活の専門家であり、ポンペイでの発掘調査経験も豊富なコーネル大学の考古学者ケイティ・バレットCaitie Barrett女史が、番組のホストを務めるマーベル・スタジオ作品『ロキ』“Loki”のスター、Tom Hiddleston氏と共に案内役として出演します。

「このシリーズでは、実在した人物の足跡をたどります」と語るのは、教養学部で古典学の教授を務めるバレット女史です。彼女は、ポンペイの住人であったユリア・フェリックスに関する歴史的研究を行ってきました。「番組は、現代のシーン――トム・ヒドルストン氏や私、そして専門知識を持つ他の人々がポンペイやその他の遺跡を歩き回る場面――と、西暦79年当時の人々の生活を再現しようとするシーンとを交互に展開していきます」

この番組は、ポンペイやヘルクラネウムで保存されていた考古学的証拠や文献資料からその存在が知られる3人の人物にスポットを当て、彼らの生活を鮮やかに描き出します。火山灰が何世紀にもわたって遺物を守り続けたこれらの都市において、ある大きな邸宅の壁に書かれた「部屋貸し」の告知文から、フェリックスがその邸宅の所有者であったことが判明したとバレット氏は説明します。

エジプト風の意匠が見られるフェリックス邸について研究してきたバレット女史は、本作の脚本制作における監修も担当しました。彼女は、フェリクスが特定の状況でどのような服装をしていた可能性があるか、かつて自身の庭にあったイシス神殿でどのように祈りを捧げていたかもしれないかといった質問に答えました。

バレット女史は、ポンペイやナポリで撮影されたシーンにも登場します。彼女とヒドルストン氏は、フェリクスの邸宅内を歩きます。その中には、「高級スパのように」一般に開放されていた浴場施設も含まれていました。二人はポンペイにある近代的な管理棟「Casa Bacco」を訪れ、フェリクス本人かもしれない人物が身につけていた宝飾品について話し合います。

この番組では、街が高温の火山灰に埋もれていく中、10代の見習い職人と、ローマ軍のエリート部隊である近衛軍団兵の姿も追っています。

Tom Barbor-Might氏が監督し、ドラマ『ロキ』の製作総指揮を務めたKevin R. Wright氏がプロデュースしたこのシリーズは、歴史的事実と想像力による再現を組み合わせて構成されていることを明確にしている、とバレット女史は語りました。

「彼らは実在の人物でしたが、そのすべてを知ることはできません」とバレット女史は言います。「考古学は多くのことを教えてくれますが、ある人の人生で何が起きたか、何を考え、何を感じていたかといったことのすべてまでは分かりません。ですから、知識に基づいた想像力による再現で、その空白を埋めていく必要があるのです。」

バレット女史がこのプロジェクトへの参加を打診されたのは、2026年初頭のことでした。ナショナル・ジオグラフィックのエクスプローラー(探求者)である彼女は、ポンペイで共同ディレクターを務める「Casa della Regina Carolina」プロジェクトにおいて、同団体から支援を受けています。

ドキュメンタリーシリーズの撮影はバレット女史にとって新しい経験でしたが(彼女は撮影スタッフを「まさに魔法使いのよう」と評し、実用的な管理棟を「神殿」のように見せてくれたと語っています)、彼女は自身のフィールドワークの経験から、異なる専門分野を持つ30〜40人のクルーが共通の目標に向かって協力し合うために必要なロジスティクス(運営・手配)やチームワークの重要性を理解していました。

ポンペイから得られる証拠は、その街の日常を完璧に切り取ったものではありません、とバレット女史は指摘します。番組でも触れられているように、噴火の前兆となる予兆はあり、多くの人々が(時には所持品を携えて)街から脱出していました。それでもなお、ヴェスヴィオ火山周辺の都市における保存状態は特別であり、古代の人々の生活について多くのことを明らかにしています。 「ポンペイの通りを歩いていると、自然と想像力や共感がかき立てられるため、多くの人々の心に響くのです」とバレット女史は語ります。「まるで家の中に入って、かつてそこに住んでいた人々と会話を始められるような、そんな感覚を覚えます。通り沿いには商店やバー、レストランが立ち並び、ふらりと立ち寄ってワインや温かい食事を注文できそうな雰囲気さえあります」

バレット女史は、展覧会「Pompeii: Out of Time(ポンペイ:時を超えて)」を訪れた人々が、「私たちと同様に充実した、意味のある人生を送っていた」当時の人々に新たな共感と敬意を抱き、彼らが暮らした社会について理解を深めてくれることを願っています。「実際のローマの町における日常生活の多様さや広がりを、ぜひ見ていただきたいですね」と彼女は述べています。

ケイト・ブラックウッドは、教養学部(College of Arts and Sciences)のライターです。

【視聴後の感想】

 第Ⅰ話:ポンペイ市内ではなく郊外に鍛冶屋があったという設定になっているが、そういう出土事例を私は知らない。

 第2話:ミセウムの艦隊が住民救援のために向かったと言っているが、小プリニウスの証言では大プリニウスの知人、即ち第一義的に富裕者救出のためだったはず(『書簡集』、VI.16では、タスキウスTascius の妻レクティナRectinaの救援要請があって四段櫂船で向かうが、すでに海岸に溶岩が迫っていたので湾の対岸のスタビアのポンポニアヌスPomponianus邸に向かっている:レクティナの別荘の場所は不明であるが、スタビアの対岸という叙述がらみでとりわけOplontis付近だった可能性はある[エルコラーノのパピルス荘はありえない])。

また確かにエルコラーノ海岸から近衛兵らしき人物の遺骸は出土しているが(私は彼を技術将校とみる見解に同意する)、近衛兵をあんな老兵で描いているのは違和感あるし(骨の調査からは40台前半)、いわんや宴会場に自分の刀を忘れるなんてありえない(詳しくは以下参照:https://www.koji007.tokyo/wp-admin/post.php?post=20907&action=edit)。

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消える校名、変わる校風 「カトリック精神」手放す伝統私学も

2026/7/24発信:https://mainichi.jp/articles/20260723/k00/00m/100/249000c?fbclid=IwY2xjawTaeY5leHRuA2FlbQIxMQBzcnRjBmFwcF9pZBAyMjIwMzkxNzg4MjAwODkyAAEeNkfqVNv6M0I8bkRQMyuX5jWw46l5R8prMnndAlpSJ7vqJj47lxzAZBupueE_aem_0Lgyz1hl2qkJnHSRU8LHVA

 ちょっと皮肉っぽく表現するなら、たとえ身売りしていない学校法人でも、すでにキリスト教精神、カトリック精神が消失してしまっている現状がある。ちなみに私が在学していた時期は外国人修道司祭を中心に十数名の修道者たちがいたので、それなりに特異な校風が確かにあった。それが現在は久々に一人の邦人司祭を得ている状況なのである。彼一人にかつての校風を担わさせようとするのはちょっと重荷過ぎるだろう。

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古代文献翻訳ブログ発見

 ユリアヌス関係をググっていて、偶然みつけた。「西洋古典文学館」(https://western-classical-literature.hatenablog.com/about)。このブログそのものは2001年に始められたようだが、本格的に機械翻訳を試みだしたのは、2025年からのようで、西洋古典関係では以下を掲載継続作業中である。

アンミアヌス・マルケリヌス (Ammianus Marcellinus)『歴史』(Res Gestae)

カッシウス・ディオ (Cassius Dio Cocceianus)『ローマ史』(Ῥωμαϊκὴ Ἱστορία)

フラウィウス・ヨセフス (Flavius Josephus)『アピオンへの反論』(περὶ ἀρχαιότητος Ἰουδαίων)

ティトゥス・リウィウス (Titus Livius)『ローマ建国史』(Ab urbe condita)

 すでに出版社から翻訳刊行中のものも含まれているが、未公刊についてはつなぎとして利用できるはずである。

 またKindle版での購入も一部可能なようだ(現状で¥300程度)。ただし、これだとコピペが出来ない。それが難点となる。

 註記を見てみたが、かなり専門的で信頼できそう。そもそも後期ローマ帝国軍政史は研究が進んでいない分野で、共和政期や元首政期での専門用語の使用法と後期ではかなり内容が違っていることを明確に意識して、邦訳も思い切って切り替えないといけないと思う。例えば、auxiliumは以前だと「補助軍」「予備軍」「援軍」などと訳され、ローマ市民からなる軍団兵と異なって非市民の属州民や周辺部族兵を指していたが、後期になると皇帝麾下の「警護部隊」とでもいうべき存在で、もちろんその構成員の多くはゲルマン人などからなっていたが、それが同じauxiliumなんたらと原典で出てくるので、昔の表記を引きずっての「補助兵部隊」みたいに訳され勝ちで問題なのだ。

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バチカン、聖ピオ十世会の司教6人を破門

2026/7/2:https://www.christiantoday.co.jp/articles/36085/20260707/vatican-excommunicates-six-sspx-bishops.htm

 ローマ教皇庁教理省は、聖ピオ十世会が教皇レオ14世の意向に反して司教の聖別(叙階)を行ったことを受け、聖別式を執り行った司教2人と、新たに司教として聖別された4人の計6人について、破門を宣告する教令(イタリア語)を発布した。教令は、この聖別を「シスマ(離教)的な行為」だとし、聖職者や信徒に対して、こうした動きに加われば自動的に破門になると警告した。

  同会は、第2バチカン公会議(1962〜65年)に伴う典礼・教理上の改革に反対したマルセル・ルフェーブル大司教が70年に創立した。88年にも教皇の承認を得ずに、司祭4人を司教に聖別したことで、ルフェーブル大司教ら6人が破門された。一方、2009年には、教皇ベネディクト16世(当時)が、6人のうち存命だった司教4人の破門を解除。その後もバチカンとの対話が続けられ、15年には教皇フランシスコ(当時)が同会の司祭によるゆるしの秘跡を有効と認めるなど、関係修復に向けた歩み寄りも見られた。

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 なんだか時代錯誤的な処置にさえ思えるが(とはいえ、意外にそうめずらしくもないようで:https://www.christiantoday.co.jp/articles/33819/20240712/vatican-excommunicates-archbishop-carlo-maria-vigano.htm:および関連記事もご覧下さい)、バチカンの危機意識が極東の我々にはわかりにくいのかもしれない。個人的には、公会議以前のラテン語典礼を遵守する同会の在り方に、ラテン語でやってもいいではないかとむしろ親近感さえ持つが、おそらく問題はこういったレベルに留まっていない、究極的にはバチカンへの反抗心を危険視してのことなのであろう。この度の破門は司教叙階に関わる面での処置で、同様な行為に対しバチカンによって以前の破門が部分的に解除されたにもかかわらず(この詳しい経緯も私は知らない)、実際にはどのような経緯を経てのことなのか遺憾ながら不明である。

 他方で、バチカンは中国には政府独自の司教叙階をなぜか認めてしまったわけで、この多角的外交問題の扱いが道をはずれていないかと危惧せざるをえない。

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興味深い地政学的見地:温暖化と極北

 以前、極北航路開発の件についてと、私の主戦場の古代ローマ史での気候変動には触れたことがあった。紛争原因は究極的には資源獲得競争といっていいだろう。ユーラシア大陸における気候変動に今改めて注目すべきかもしれない。

 「北極でもグリーンランドでもない…習近平とプーチンがすでに手を付け始めた「石炭、石油、天然ガスが眠る場所」」(https://president.jp/articles/-/116277?cx_referrertype=mail&utm_source=presidentnews&utm_medium=email&utm_campaign=dailymail)を読んだ。

 資源競争は月世界でさえも取り沙汰されているくらいなのだから、海底5000メートルや北極海もお目こぼしに会うはずもなく。

 いわゆる温暖化での勝ち組はロシアとカナダ。負け組は赤道上のとりわけ水没海洋国家と想定されているが、それ以上に問題なのは、気候難民の大量発生も指摘されていて、現状況でも問題なのにと考えざるを得ない。

 具体的には先行して南極が争点になるかもである。現在では南極条約で国家利権は厳しく制限されてきているが、状況の変化でどうなるか先行きは不透明と言わざるを得ない。温暖化の進展でペンギンも絶滅するのだろうか。

 資源最貧困国の我が祖国住民は、砕氷船観光で、シロクマ見たり、アザラシ見たりして喜んでいる場合ではないはずだが、げんちに行ってさてはたしてそんな先を読んだ目線で見ているのかどうか、はなはだ疑問である。

 

 

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