NHKアカデミアで「ナスカ絵前編」を見た

 2023/11/21午後NHKテレ1再放送で、山形大学の坂井正人教授がご登場。本来は水曜午後10時からのようで、後編は11/22である。それら両方は以下で今みることができる。

https://www2.nhk.or.jp/learning/academia/video/?das_id=D0024300125_00000

 ナスカ絵については、以前、佐藤健がらみでこのブログで触れたことあるが(「殉教のテンション」2019/2/10:ここでも坂井教授ご登場か)、今回、30年にわたる研究、その20年以上かかってようやく思い至った坂井教授なりの新説は、現地研究の重要性をあますところなく吐露していると思う。机上の空論で研究者が空想しての立論の空しさを再確認する思いである。そう、自称研究者やマニアのもっともらしい精緻を装った想定など、無知蒙昧なはずの現地の庶民によるあっけない現実の前には即崩壊なのだ。

 日本への地上絵の紹介が、具象的なものに片寄っていることが全体像を見失わせてきたこと(彼はより多い直線の絵に注目)、地上絵の描き方だが、なんと農夫の女性が日頃の種蒔きでの目測で足幅を使って簡単に書けたというあっけない話、なぜ書かれたのかを解明するために地上絵の全体像をどう捉らえたか、挙げ句、使用した人工衛星画像(2002年)が世界遺産の申請の時に大いに役だって、直線の絵が巡礼の道で地上絵はそれとの関連があったのではという話が非常に面白かった。

 後編で、データをAIに読ませてから地上絵を探させたら、これまでもっとも研究が進んでいた場所で数件の新発見があったと述べていたが、これなんかは我らの研究にも応用ができるような気がする。

Filed under: ブログ

コメント 0 件


コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

Comment *
Name *
Email *
Website

CAPTCHA