ローマから帰ったばっかりなのに、5/8付け情報によると、皇帝ネロの黄金宮殿Domus Aureaの修復中の2018年秋に偶然、華やかなフレスコ画で装飾された部屋に通じる穴を発見したという。そこは、責任者Alfonsina Russo女史らによって「スフィンクスの広間」Sala della Sfingeと名付けられた。AD65-68年建築とのこと。これだから、ローマは、イタリアは・・・油断できない。http://www.neldeliriononeromaisola.it/2019/05/271475/
またこんなのも見つけた。これは2017年のオークションに出たモザイクらしく、出土地等の由来は不明であるが、ホメロスの『イリアス』III.1-9を最古とするピグミーとサギcranesの闘いを描いたものとされているが(cf., Augustinus, De Civ.Dei, XVI.viii.1)、闘っているようには見えない。http://benedante.blogspot.com/2017/06/pygmies-and-cranes.html
遅ればせながらのご報告です。 2019/4/6放映のNHK 地球ドラマチック「ポンペイ 石こう像の新事実」44分を、現在オンデマンドで見ることできます。東京では15日00:00からEテレで再放送されるようです。これは2018年イタリア製作のもののようです。 これは石こう像の修復にともなって、DNA分析を含む、先端光学機器で分析する様子が紹介されていて、我々の研究にも大いに参考になりそうです。 私的にもっとも衝撃的だったのは、最後に、DNA分析から、「黄金の腕輪の家」(VII.16.22:Casa di M.Fabio Rufo e Bracciale d'Oro)出土の「家族の像」の4人の間に遺伝的関係がないこと、しかも母親と思われていた像は男性だったことが判明したことでした。また、「乙女たちの像」(I.6.2:Casa del Criptoportico)の一人は男性で、もう一人は特定できなかった、という事実が証明されたことも。彼ら二人が男性だったら同性愛者たちの可能性を発掘者たちは指摘しているようです。こういう発想はさすが同性愛天国のイタリア人の着想ですが、私にはちょっと先走りすぎているように思えて、疑問です(いかにも新聞記者が飛びつきそうな話題にしているとしか思えませんよね)。 ともかく、ロマンティックなストーリー性が失われて、若干がっかりもしますが、話題になりそうにマスコミを意識し、見た目で判断してきた従来の研究の問題点があますことなく明確に指摘されたわけです。