ローマの衰退について、etc.

 ポーランド人が営んでいるブログ「Imperium Romanum」からメールがあり、最近2週間の古代ローマ史関係の記事の連絡があった。以下、邦訳を付けることはしないが、興味あればGoogle翻訳の素訳で手軽に全容を知ることができる。

1 March 2024 Fragment of Roman fresco with black inscriptions

1 March 2024 Castellum Aquae in Pompeii 

1 March 2024 Roman military diplomas

29 February 2024 When did Rome begin to fall into ruin? Whenever I look at the ruins of ancient Rome,

27 February 2024 Bronze ears were found in central ItalyIn central Italy,

26 February 2024 Fausta

 だがこのブログは新発見情報というわけではない。しかし、ちょっとした歴史的位置づけとか視角でヒントになることがあるのは、ウィキペディアと同様で決して蔑ろにできない(もちろんガスネタの場合もあるので、裏付けは必須だ)。

 重々それに注意しつつも、今回面白いなと思ったのは、ポンペイの配水建造物(後62年の地震の後使用不可だった、と)と帝都ローマの没落(インフラには莫大な修復費用がいる;とりわけ後3世紀の荒廃への注目)関係の記事だった。もちろんこれまでもそれなりの言及はされていたが、私のようなボケ老人にそれを思い出させてくれて感謝である。そういった意味ではファウスタの女性目線からの位置づけ方も面白かった。

 新発掘情報に関しては「The History Blog」(http://www.thehistoryblog.com/)のほうがほぼ連日アップしていて便利である。ここ1ヶ月の古代ローマ関係情報は以下である。

Flying Golden Fleece ram fresco found in Pompeii 

Iron Age metal objects found at spring in Anglesey 

Preserved Roman wood cellar, staircase found in Frankfurt 

Rare head of Mercury found at previously unknown Roman port town 

Romulus & Remus brooch found in Spain 

Caracalla medallion found in child’s grave in Bulgaria 

Roman egg is intact with contents too 

Best-preserved Roman military diploma in 3D 

Colossus of Constantine returns to Rome 

First Roman funerary bed found in London 

Legio XIII Gemina bricks found in Vienna 

Roman silver toilet spoon found in Wales 

 その中で、ブルガリアの農地で見つかったペルガモン打刻青銅貨についてここで簡単に触れておこう。以下の写真は、発見場所と出土青銅貨幣。農民が農耕機使っていて巨大な石板にぶつかった。それが裕福な出土遺骸一族の墓所だった。

 この貨幣はその筋では著名だったようで、帝国貨幣でもないのに、オークションでは$4500の値がついている。皇帝カラカラ(治世198-217年)が治世晩年に体調を崩し、治癒神巡りで歴訪したときのこと、214年ペルガモンのアスクレピオス神域訪問時の一連の記念貨幣のひとつである(なんと後日再打刻もされたようだし、カラカラ死後の記憶の抹殺例もある由:https://www.acsearch.info/search.html?term=caracalla+pergamum&category=1&en=1&de=1&fr=1&it=1&es=1&images=1&currency=usd&order=0)。

神域は右平面図の左下で、アスクレピオスの神殿は②:それにしても劇場が3つもあるなんて。

 この皇帝の巡礼については以前このブログで北フランスのGrand(Grannum)関連でちょっと触れたことがある(https://www.koji007.tokyo/wp-content/uploads/2018/10/conference_presentation_201810.pdf;https://www.koji007.tokyo/2018/02/)。 以下が同種のより鮮明な画像。

Æ Medallion (40mm, 33.73 g):https://www.cngcoins.com/Coin.aspx?CoinID=246985

表面:向かって右向きの皇帝横顔、頭に月桂冠、胸当てにゴルゴネイオンないしメドゥーサの頭部。AVTKPAT K MA PKOC AVP ANTΩNЄINOC:(羅)Imperator C(aesar) Marcus Aur(elius) Antoninus =Caracalla

裏面:ペルガモン市への入城式 adventus の場面で、騎馬の皇帝が1人の随行兵士を伴い左向きに右腕をあげて挨拶をしている。右端には石柱cippus上に治癒神アスクレピオス立像。                 ЄΠI CTP M KAIPЄΛ ATTA-ΛOV ΠЄPΓAMH-NΩN:(希)Epi Str(ategou) M(arcou) Kaerel(iou) Attalou Pergamenon :ペルガモン人たちの長官[市長?]、Marcos Caerelios Attalos 下で 

刻銘部:ΠPΩTΩN • Γ • NЄ/ΩKOPΩN:Neokoroi[神殿管理]三人官の第一[工房の意味か?]

ペルガモンのアスクレピオンについては、http://www.my-favourite-planet.de/english/middle-east/turkey/pergamon/pergamon-photos-01-035.html

 [銘文読解で、江添誠氏のお知恵を拝借したが、記述内容に関する責任は当方にあります]

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