Aurelius Victor試訳掲載について

前口上:
 在職時に大学院演習で訳し始めたものの、あまりの難解さにてこずってなかなか先に進めません(その箇所は、主としてアウレリウス・ウィクトルが、権力や世間の自堕落さに対しごたくを開陳している場所です)。ま、このあたりが私の能力不足なんですが、幸い同好の士を得て、継続してじわじわやってます。しかし、いっかな完成はおぼつきません(一応の訳了は1年後を想定してますが)。
 私事ですが、体調も万全とは言えず(そもそも人生に万全なんてことはないわけですが)、それでもこれまで経験したことのない異変に直面して(老化現象:たとえば、左膝関節の痛み[こっちはまあ理解できる]とか、右肩から首筋・顎あたりをしびれが襲う[妻によると頸部に何か起こっているのだろうと]ことなんかそうです)、こりゃ先がないかもと自覚せざるをえない今日この頃ですが、まああと5年なんとかもってほしい。
 最近、田川健三氏の『ヨハネの黙示録:訳・註』が出版されたことを知り、とりあえず「読書案内」読んだのですが、彼って82歳なんだけど相変わらずの毒蝮三太夫で、ちっとも丸くなっていない・・・のがすごい、としかいいようがない (^^ゞ (いや、表現がちょっぴりだけやさしくなってる気がしないでもありませんが)。
 『原始キリスト教史の一断面』で学ばせて頂いた編集史的分析という点で、私の研究手法と通じるものがあって(他人にイチャモンつけるクセもでしょ、と影の声が・・・)、まあ心底同感しながら楽しく読ませていただけるのが嬉しいです。彼ほどの語学的才能も知識もない身でとてもマネはできませんが、せいぜい気張って逐語訳を通じて原著者の本意を探っていきたいと思ってます。
 試訳はこれまで『上智史學』第60号(2015/11)から第62号(2017/11)に、第1章〜第32章を掲載してきましたが、すでに誤訳や訳語選択上の試行錯誤で右往左往の変更箇所があり、さりながら完成時の全面修正など先の保証がない身としては、明々白々の空手形としかいいようもなく、よってあくまで「現段階での」試訳ではありますが(そう言いつつ、これが最後になるかも)、このブログを通じて公表していこうかと思い立ちました。
 前もって言い添えておきます。最近アウレリウス・ウィクトルの『索引辞書』(Concordantae,2012)を大枚はたいて入手したのはいいのですが、これを活用して定訳を決め打ちすればより厳密な訳ができるのではと、まあ掲げた狙いはよしとして、実際にいちいち参照してやってみると、これがかなりの難物で、とにかく先に進まない、そのうち集中力が保てず疲れ果て・・・、私の場合寝るしかない。「明日なろ」なんだけど、朝になったら大方前夜の問題は忘れて果てていて・・・。申し訳ないのですが、作業としては中途半端となってることをお詫びしておきます。
 第二に、より正確な訳を目指しているといっても、所詮私の恣意的な読解の羅列でしかありません。独英仏の現代語訳・註解も出ており、これまでの諸先輩の採用された翻訳手法は、それらに準拠し、とにかく欧米に依拠して中庸のとれた標準的な訳業を世に問うのが良しとされてきていて、それに一理あることは分かるのですが、本訳において私は、いちいち指摘しないであえて欧米と異なる独自のチャレンジ訳を試みた場合があります(逐一指摘してたら田川氏みたいに膨大になっちゃうわけで、私には彼みたいな尽きぬエネルギーも時間的余裕もありませんのでお許しください)。まあ立場が違えば当然それは「誤訳」と言われかねませんが、私は内在的にそのほうがよりよく理解できると判断して、そうしておりますので、ご理解いただければと存じます。
 もちろんだからといって、単純な誤訳や誤読が皆無ということなどありえません。「過ちては改むるに憚ること勿れ」を誠実に実践したいと思ってますので(これもエネルギーと時間かかりますが)、遠慮なくご指摘いただければと存じます。こういう相互討論がともかく表舞台でなされることが我が国で希薄なのは、やっぱり問題ではないでしょう。

 前口上(と言い訳)で思わず長くなりました。これも田川大先生の影響かもしれません。とりあえずこれくらいにしておきましょう。

 もし輪読会に参加希望の方いらっしゃったら、大歓迎ですので、メールで連絡ください。当方のアドレスは以下です。
 k-toyota@ca2.so-net.ne.jp
 現在は、毎週金曜日午前10時半から1時間半程度、渋谷の貸事務室(ワンルームマンション)を借りてやってます(来年度は時間も場所も変更の見込みです)。
 参加者は社会人3名、それに私です。場所代とお互いの交通費をプールしてます。 
 「これって、1人ではぜったい読めないよね、みんなで読むからやれるんだよね」といいながら。

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