月: 2025年7月

最近のクリスチャン・トゥデイより:聖職者の兼業

https://www.christiantoday.co.jp/articles/34902/20250626/nearly-half-of-us-evangelical-pastors-are-bivocational.htm

 表題は「米国の福音派牧師は半数近くが兼業している 調査で判明」(2025年6月26日)だったので、それを読んで最初私は、聖職以外に世俗の職業に就いている「兼業」のことかと思い大いなる興味をもってクリックしたのだが、情報の大部分は、複数教会での司牧を兼務している「兼牧」という内容だったのでいささか落胆した。というのは、カトリックでも司祭の減少で複数ないし巡回が普通のことになって来ていて、全然目新しい話題ではないからだ。しかしカトリックでも「兼業」が14%いると出ているが、これはアメリカならではの現象なのであろうか。

 私の友人が所属する日本基督教団系の某教会は登録信者数50名だが、集会参加者は2,30名に過ぎないというわけで、牧師夫婦を養うのも大変で、いずれ他の教会と合同せざるを得ないだろうと話してくれたことがあった。

 以下、兼業に関わる部分のみ紹介する:

 全米の宗教指導者1600人を対象に行った「全米宗教指導者調査」(NSRL、英語)の報告書(英語)によると、米国では福音派の牧師の47%が兼業しているという。

 兼業している聖職者・教職者の割合は、全米平均で35%だった。2001年に行われた同様の調査では28%で、この20年余りで7ポイント増加したことになるが、これは主に福音派の牧師によるものだった。

 聖職者・教職者の兼業割合は、黒人プロテスタントが35%、カトリックが14%、主流派プロテスタントが11%となっており、いずれも福音派プロテスタントより少なかった。なお、福音派・主流派プロテスタントの多くは、白人が占めている。

 複数の教会を担当している聖職者・教職者の割合は、全米平均で19%で、01年の12%から増加した。こうしたケースは、主流派プロテスタント(24%)やカトリック(22%)、黒人プロテスタント(21%)で比較的多く見られ、福音派プロテスタントではあまり見られず、9%だった。

カトリックや主流派プロテスタントの聖職者・教職者は、追加の責任を負う場合、兼業するよりも、複数の教会を担当するケースが多く、逆に福音派プロテスタントでは、兼牧するよりも兼業するケースの方が多いという結果になった。

 関連で、グーグル検索したら「YAHOO! 知恵袋」がヒットして、「牧師や神父は何か副業してますか」という問いかけに、以下のような返答が載ってました。2021年7月のことですが。

◎ 大学の先生をしている神父さんはおります。本を書いている方も。

◎ カトリックや正教会の司祭は一定の俸給が保障されているので経済的理由で他の仕事をしている人はいません。付属幼稚園の園長などをしている人もいますし、教育機関で教職についている人もいます。カトリックの労働司祭は一般の仕事をして自らの食い扶持を稼いでいます。プロテスタントの教職(牧師)にも教職についている人もいますが、教職としての俸給が月10万円前後や遥かに下回る人もいます。自らの生活のために平日は一般の職業についている人もいますし、塾、新聞配達など様々なアルバイトをしている人もいます。プロテスタントには職業宗教人を置かない制度の教派もあります。

◎ 教会から十分な給料を貰っているのに、教会の仕事を大してしない牧師もいたりして。

◎ 奥さんを働かせる牧師もいたりして。

◎ 収入を補うために、多くの神父や牧師が、教会に併設された幼稚園の運営、高校や大学の講師、原稿執筆、語学の指導など、なんらかの副業を手掛けています。

 なるほどこういうのも「兼業」に含まれるわけか。しかし教区司祭にはそうそうそういうチャンスは多くないような気がする。

Filed under: ブログ