被爆者は世界中にいる

 昨日、墓参りと実家の様子をみるために久しぶりに帰省した。一週間ほどいる。駐車場横の花壇は思い切り雑草が生えていた。家の中に入ると特に二階はすごい熱気がこもっていた。

 窓を開けて、テレビを付けると、民放で原爆関係をやっている。ああそうだった、この時期広島は民放でも原爆特集をよくやっている。

 でも思う。被爆者は被爆国は、広島・長崎だけではない。このことを忘却の得意な我が国民は忘れていやしないか。試しにググってみた。2019年8月7日発信の「日本だけではない、被爆国」(https://www.jrc.or.jp/international/news/190807_005824.html)、日本赤十字社の記事だ。その冒頭に引用文でこう書いてあった。

「1945年、アメリカのニューメキシコ州で世界で初めての核実験が行われてから、これまで2,050回を超える核実験が行われきました。アメリカはネバダ砂漠や太平洋で、ロシアはカザフスタンや北極海で、イギリスはオーストラリアや太平洋の島国で、フランスはアルジェリアや南太平洋の仏領ポリネシア・タヒチで、中国は新疆ウイグル自治区で実施しました。ワシントンやモスクワなどの大都市から遠く離れ、多くの場合は植民地や先住民族の暮らしている土地でした。核実験により被爆した人たちは、世界各地に存在しています」(川崎 哲『核兵器はなくせる』、岩波ジュニア新書、2018、p.60)。

 そう、アメリカは最初の実験のあと爆心地にご丁寧にも州兵を入れてさえいた。残留放射能の知識がなかったといえばそれまでだが、だからアメリカが最初の被爆者の国であることにほとんどの人が気づいていないようなのはおかしい(当然、識者はご存知でしょうが)。

 私はもちろん第五福竜丸関係で、かなり昔、南太平洋での現地人の被爆者の話は聞いていた。改めてそうなんだと思ったのは、アルジェリアに行く前の事前勉強の中でのことだった。幼い頃、いやもう中学生ごろの記憶をたどってみたら、そう確かにそんなことが新聞記事にあった。フランスは植民地のサハラ砂漠で盛んに実験をやっていたのだ。そこにはもちろん何も知らされずに先住遊牧民がいたし、アメリカ同様仏軍兵士も爆心地に行進さえさせられていた。2014/8/5中国新聞発信「アルジェリア核実験被害の現実 仏公共放送記者 ラルビ・ベンシーハ氏に聞く」(https://www.hiroshimapeacemedia.jp/?p=34377)。人体実験でもあったのだろうから、この兵士たちはやっぱり現地出身者だったのだろうか、とふと思う。

 ところで、川崎さんの本を我が図書館で検索したがヒットしない。え、どうして?

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