コンスタンティヌス家3代の貨幣入手

 私は現役の後半にはCNGのオークションに参加してきたのだが、それ以前にはときどきAgoraでもやっていたので、今でもむこうからオークションの連絡がある。リタイアしてからはいって見ることもなかったが、今回はどういうものか出品を眺めたのである。そしたら以下の連番の3点が眼にとまった。いずれもそう高価ではなかったし、競争になったら降りればいいと気楽に最低価格で入札した。なんとそれがそのまんま入札終了となった。それが以下である。

 いずれも打刻場所は上パンノニア(現クロアチア)のSiscia造幣所、打刻時期もいずれもコンスタンティヌス大帝時代に属する317-318年と大帝晩年の334-335年にあたるが、となると、317-318年のほうはリキニウス統治時代となる。これらは、大帝(272?-:在位306−337)と父コンスタンティウス1世・クロルス(250?-:在位293-306)、そして大帝が祖先としたとされるクラウディウス・ゴティクス(214?-:在位268-270)を表面に打刻しているので、コンスタンティヌス朝の始祖(伝説上にしろ:SHA, v. Claud. 13.1-3)を含めての3名の揃い踏みなので(但し大帝のコインの表面の像はコンスタンティノポリスであって大帝ではない)、つい (^^ゞ。

 伝説時代を含めて、コンスタンティヌス王朝の男系はユリアヌス(331?-:在位360?-363)までの約100年間で絶える運命を辿る。

 さてこのコインたち、送料・手数料込みで約175ドルの請求がきた。リタイアした年金生活者はもうこういう所有欲は断捨離しないといけないのだが・・・。

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151:コンスタンティノポリス創建記念BI 半centenionalis貨幣:表面刻文は「CONSTAN-TINOPOLIS」、左向きのコンスタンティノポリス、月桂冠型ヘルメットと皇帝式服着用、左肩背後に例の十字型帝笏;裏面は左を向いたウィクトリア女神、右脚を戦艦船首の上に置き、右手に長めの帝笏を携え、左手を楯に添え、下刻銘部に「BSIS」=シスキア造幣所第二工房

152:コンスタンティウス・クロルス死後記念BI半follis貨幣:表面刻文「DIVO CONSTANTIO PIO PRINCIPI」(神君コンスタンティウス・元首に)、頭部をヴェールで覆い月桂冠で押さえたコンスタンティウスの右向き;裏面刻文「REQVIES OPTOMORVM MERITORVM」(最良の諸善行の安息)、皇帝が左を向いて高官椅子に座し、右手を挙げ、左手に帝笏、下刻銘部に「SIS」

153:神君クラウディウス・ゴティックス死後記念BI半follis貨幣:表面刻文「DIVO CLAVDIO OPTIMO IMP」(神君クラウディウス・最高軍司令官に)、頭部をヴェールで覆い月桂冠で押さえたクラウディウスの右向き;裏面刻文「REQVIES OPTIMO-RVM MERITORVM」、高官椅子に左向きで座した皇帝は、右手を挙げ、左手に帝笏、下刻銘部に「SIS」

【付論】今日連絡あったCNG(http://www.cngcoins.com/)に、なんと8枚ほど151と同様の貨幣が出品されているが(LOT838-845)、うち1枚はTrier造幣所打刻で、できばえもコンスタンティノポリスと比べるとかなり劣る(私だったら偽造と判定する)。また、まさしく同じシスキア造幣所第二工房打刻とされているLOT841(Æ Follis)ではあるが、我らの151とは印象がかなり異なっていて(当然材質も)、これだと私の食指は動かない。あとの6枚はいずれも「Contemporay imitation (hybrid)」とされている。

LOT841

 これらのうちLOT841以外はいずれも1989年にイギリスのNether Compton (Dorset) で発見された22670枚の退蔵貨幣の一部で、1994年に競売の付されて散逸したものらしい(そのせいか、出品者評価よりもかなり高めの値がついていたりする)。最終日まで13日間あるので、興味ある向きはご覧いただきたい。cf.,https://www.bacas.org.uk/wp-content/uploads/2017/08/NComprint.pdf

発見状況

 個人的興味としてはこの退蔵中どれほどがイミテーション貨幣で占められていたかであるが、もはやせんない妄想かもしれない。

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