現代イタリアの新トイレ:トイレ噺(7)

 今回のイタリア旅行で2種類のトイレを発見?した。それは従来、イタリアの洗面所には便器関係では、普通の水洗トイレとビデが普通設置されているのだが、最近はビデがなくなり、シャワーホース状のものが付いていたりしていて、それはこれまでも見ていたが(今回も1箇所、フィミチーノ空港隣接のホテルがそれであったが、写真は取り忘れた)、下着が水浸しになりそうな気がして使ったことはない。

 今回新発見の一つはPompeiiのB&Bのもので、水洗トイレに水が出る穴が開いているもので、これは実際には水流が下に流れるだけでお尻に届かないので、手で洗うしかない(その意味でトイレとビデが合体しているといっていい)ものである。

流水中の状況:操作ノブは向かって左の壁にある

 もうひとつは、Romaのテルミニ近くのこじゃれたB&Bのもので、同じような場所に穴が位置しているのだが、こちらは出口に金属製のごく短いホースがちょんとばかり装着されているので、水流がお尻に達することができる。こちらは日本のシャワートイレと同様で、使用感もいい。いずれも便器のそばにノブがあってそれで水流(と温度)を操作する。

操作ノブは便器の向かって右:当然、左手にはビデ用手拭きがある

 それにしても、イタリアの水周りは故障が多い。一昔前はシャワー室の水はけがやたら悪くて、石鹸の泡を足につけて出ざるをえなかったのは稀でなかった。そして、今でも公衆便所は清潔とはいえない。私が今回ナポリ国立博物館前の地下鉄駅で試した公衆便所は、男女の区別がなく、すべて個室式でなんと20チェントコインで入る方式で、有料トイレは1ユーロが普通なので、なにかけっちっているなとは思い、まあこういうのは出るに出られなくなることあるのでこれまでは警戒して使ったことがなかったが、今回は同行者に万一の時のことを言い含めて試してみた(但し,同行者には私の意図は伝わっていなかったことが後から判明した)。さて、便座は当然ないので中腰で大を放出したあと、もちろん紙も常設されておらず、同行者がくれた「おしりセレブWET」を使って後始末し、水を流す段になって(10秒水が流れると使用ラベルには書いてあった)、ボタンを幾ら押しても出ない! まあそれもこれまでの経験で想定していた私はそのまま退出したわけである(どうすればいいというのかっ)。私が内から空けたドアがまだ開いている間に入れ違いに入ってみた中年女性は、覗いただけですぐに出てきた。これもまあ当然の風景である。

 以下の写真は、今回遭遇したエルコラーノ遺跡事務所内の男性立ちション用トイレで、3つ設置されているうち2つは使用不能であった。この状況は他でも決して稀でない。ついでに触れておくと、この時、女性トイレは長蛇の列であった。理由はもちろん私には確かめようもなく不明である。

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