研究に便利:合法的?外国語論文コピー入手法

 昨日も真夜中に、自宅からインターネットでリタイアした大学図書館リファレンスにアクセスし、2つの論文を他大学図書館にコピー依頼する手続きをした。自大学に所蔵がない書籍や雑誌でも、所蔵大学に貸借申込みや複写依頼をしてくれるのである。代価はコピー代と送料だけですむ。まだこの制度を利用できるのは大変有難い。

 国内に所蔵がない場合は海外の大学図書館への発注となり、従来の方法だと送金とかでかなり手間となるが、入手できた場合は研究上たいへん有効となる(一度だけだが、2ページくらいだったのでファックスで即送してくれたアメリカの大学があった)。今や、大学図書館がデータベース会社と一括契約していて、パソコン室からアクセスすると無料で印刷できるサービスとなっていて、昔と比べるとやたら便利になったものだ(むしろ同音異曲の内容の情報過多となり、時間との関わりで選択眼が試されている気がし出すほどで、こうなるともはや関連論文の網羅よりも、オリジナルな独創性に磨きをかけるほうが重要視されてしかるべきだと思う)。リファレンスの指導ではまずこれで試して下さい、というわけである。だが大学との接点を失った場合は、それも不可能となる。

 便利と言えば、特にアメリカで最近多いのだが、修論や学位論文がpdf化されていて自由に丸々コピーできることが多くなった。だからというわけでもないが、ウェブであれこれやっているうちに、妙なシステムに行き当たった。それが「Academia<updates@academia-mail.com>」である。自分の研究分野を登録しておくと、自動的に関連論文をリストアップして知らせてくれる。そしてどういう仕組みかは分からないが、時には書籍までも全ページがpdfで提供されているのだから驚かされる。問題は、リストアップの精度で、たとえば私はコンスタンティヌスを登録しているのだが、最近26件が送られて来た。その中に、一見無関係の『マルクス・アウレリウス』や『アグリッピナ』といった著作が丸ごと一冊含まれていて、なんだかありがたいような、でもつい目移りして眺めたり、すでに購入済みだったりするので、ありがた迷惑のような感じなのである。そしてこれは、対象が英語に限られているという点も問題だろう。よってたぶん英語圏の著者にリスト掲載の許諾を問い合わせた上での公開なのであろう。もちろん「無料」というわけにはいかない。年に約100ドル、月ごとだと10論文で9ドルくらい必要である。初回でもう十分送られて来た感じはするが、試しに1年間利用してみようと思う。新刊書のちょい読みでは、アマゾン・コムで部分的に見ることできるようになっているのも有難いサービスである。

 自宅でウェブ検索かけていると、他にもよく出てくるのが、「JSTOR」というサイトで、これも自宅でダウンロードすると一件12$程度かかるのだが、大学関係者である旨登録した上で「Read Online」にすると雑誌論文を無料で読むことができるサービスがある。ま、多少手間であるが、それをコピーする裏技を使えば普通通り印刷することもできるわけである(大学パソコン室でアクセスすれば、問題なくコピー入手できる)。

 そういえば、少し昔のこと、キー・ワードでウェブ検索していたら、pdf化された論文がズラーと出てきたことがあった。画質が荒かったり、コピー論文をちょっと斜めにスキャナでデジタル化した手造り感満載のものだったので、たぶん個人的に手持ち論文をアップしたものだったのだろう。こちらはもちろん無料だったが、やっぱり著作権上の問題があったのか、それとも検索キーワードが特化されていたせいか、二度とお目にかかっていない。

【追記:20211118】このブログ、まだときどき読まれているようなので、付記しておく。最近の翻訳ソフトは論文をざっと読むには十分便利なほどの精度を持っている(但し、私の経験だと、「;」「:」のあととかが欠訳となる事例に遭遇)。一般にはGoogle翻訳の評価が高いが、私は知人から推奨されたDeepLを使っている。とにかく翻訳時に私の場合、日本語入力の打ち込みにやたらエネルギーが費消されていたので、その手間が省けるようになったのには大助かりである。

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