社会人対象の読書会の準備でググっていたら、たぶん2016年の同じコンペの受賞グループの報告と、参加したあるグループのHPを見つけた。おそらく二,三十年あとのVia dei Fori imperiali周辺の風景はこんなになるのだろうなと思うのだが、残念ながら私には見ることできない「明日」の遺跡風景なのである。
このプロセスについての優れたブログをみつけた。今から7年前の投稿だが、学ぶべき事が多い。Jonathan Rome & Gretchen Van Horne「The Life and Death of Via dei Fori Imperiali: 1932-2015」(https://romeonrome.com/2015/02/the-life-and-death-of-via-dei-fori-imperiali-1932-2015/)。全文引用したいほどの内容だ。是非ご一読を。なお参考までに。最後あたりで登場するローマ市長イニャツィオ・ロベルト・マリーア・マリーノは、2013年から2015年10月30日までその職にあった。
(1) Lorenz E.Baumer, Forme, fonction, identité ? Une approche du <César d’Arles>, dir. per Vassiliki Gaggadis-Robi et Pascale Picard, La sculpture romaine en Occident*Nouveaux regards.Actes de Rencontres autour de la sculpture romaine, 2012, Arles, 2016, pp.75-81.
(2) 当然別の復元例もある。cf., Amelia Carolina Sparavigna, A possible reconstruction of the face of Julius Caesar using a marble head from Smyrna conserved by the Rijksmuseum van Oudheden in Leiden, 2019/3/18(https://www.researchgate.net/publication/331833760)
ところが、以上は共和政ローマの国家貨幣製作についてであって、確認される最古のカエサルの肖像画コインは、前47/6年に、小アシア半島のビテュニアの都市ニカイアで打刻されたものだった。ローマからの旧領土奪回めざしたファルナケス2世Pharnaces II(ポントス・ボスポロス王、在位:前63-47年)がゼラの戦いでカエサルに敗れた(この時、カエサルの有名な言葉「来た、見た、勝った」Veni, vidi, vici が発せられた)。その戦勝を記念しての発行。
私のゼミ生で現在ポーランドに在住しているH君経由で、以前お願いしていたポーランド語の本が、彼が一時帰国したので、届けられた。新コロナの関係で郵送もままならず、送料もバカにならなくなるとのことで、一時帰国での持ち帰りをお願いしていたものだった。その書籍は以下。Andrzej Wypustek, Imperium Szamba ścieku i wychodka :Przyczynek do historii życia codziennego w starożytności, Warszawa, 2018, Pp.223. だいたいの訳は「(ローマ)帝国の下水とトイレ:古代における日常生活」といったところか(ただしグーグル翻訳からの想定。古代ローマトイレ研究の先進国はオランダなので、これまでそっちは若干集めてきたが、ポーランド語はまあお愛嬌ということで)。