NHK BSスペシャルの再放送で「デジタル・アイ」を見た

 副題が「新発見続々!:考古学×可視化テクノロジー」。なかなかの迫力だった。今だとオンデマンドで見ることできる。見逃した人は是非とも220円投資してご覧になることをお勧めする。

 「レーザーを照射して観測するLiDAR(ライダー)技術が可能にした、膨大な数の遺跡の可視化。カンボジアではアンコール王朝の都市の謎が明らかになり、奈良の古墳調査では日本史の“空白の4世紀”に風穴があけられようとしている。さらにウェスウィオ山の噴火で焼けた古代ローマの古文書がいま、若者が駆使するAIによって読み解かれようとしている。これまで不可能と思われていたことを可能にする、活況に沸く考古学の最前線を伝える!」

 2024/4/4放送のものの再放送で(なんで見逃していたのだろう)、巧まずして考古学の最新現状況の報告となっている。いずれも登場する研究者がみな若い世代で、将来への希望を繋いでくれているように思えたのだが、身近な歴史分野で(私にとっては古代ローマ史だが)それへの蠢動すら感じとることができない現状は淋しい限りだ。

 番組最後に揃って74歳の島根県のマニア4人が登場して、「あと4年くらいしか残された時間がない」と言いながら(この件は私と同じだ)、AI使っての古墳発見に挑戦しようとしているのを微笑ましく感じると同時に、西洋古代史の若手がその方面に切り込んでいく意気込みが希薄なのがなんとも残念なことだ(私が知らないだけなのだろうか)。確かに一昔前は、たとえ高価な機器を購入しても飛行機やヘリコプターをチャーターしないと不可能だったものが、今だとドローンで飛躍的に簡単にできるようになっているのだが。

 私自身、エルコラーノのパピルス文書解読の仕組みは文字情報では理解不能であったのだが、この番組を見てようやくだいたいのことが分かった気になれた。そして同時に思ったことは、素人でもこういった新技術でこれまでとは比較にならない成果を達成できるのに、自称専門研究者は手をこまねいてなにしているのだ、ということだった。AIを投入することで従来とは別次元の研究進展が期待できるのである。

 若い世代の奮起を期待せざるを得ない。

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