いれずみ:NHK「英雄たちの選択」

 さっきまでBS4Kでやっていた「追跡!古代ミステリー”顔”に隠された古代人のこころ」がたいへん面白かった。土器や埴輪の顔に記されていたいれずみを長年(30年といっていたような)研究されてきた設楽博己氏(東大名誉教授)の研究成果から、縄文、弥生、古墳時代という時代の変化でいれずみの意味が変わってくる、という説明がなかなか刺激的・説得的に展開されていた。https://www.nhk.jp/p/heroes/ts/2QVXZQV7NM/episode/te/KNQJ34YZJL/

 この番組、時々見ているが空振りのテーマもあるが、今回に限っては、私にとってたいへん新鮮な視点だった。出土資料と文書史料を組み合わせ、それまでプラスイメージだったいれずみが、ヤマト朝廷下で被差別民表示に変化していったという、これぞ古代史的な醍醐味満載の研究だと思う。自分がやりたかったなあ、と思わされた。

 私が知らなかっただけのことなのかもだが、一般向けな彼の本『顔の考古学:異形の精神史』吉川弘文館(2020年、¥1980)を読みたくなった。ありがたいことに我が図書館も所蔵しているようだし。・・・ついアマゾンで発注したくなるけど、我慢、がまん、と。

 思いがけずここで「異形」なる語に再会する。これは私的には網野善彦氏で一世風靡したキャッチフレーズで、かつて「異形」ならぬ『異貌の中世:ヨーロッパの聖と俗』弘文堂、1986年、で大いに触発されたことを思い出した。蔵持不三也著のその本は、ある意味私の研究方向を変える磁力をもっていた。庶民の諸相を素朴な彫像やレリーフから探る方法である。

 テレビ未見の人は、来週10/27の水曜日朝8時から再放送されるので、見てほしいと思う。

【後日談】図書館で借りてきて、帰りの電車内で読みはじめたが、まっさらな感じで紙装幀なのに表紙に折り目もついていないので、ひょっとしたら私が最初の読者かもしれない。論が飛躍するが、時節柄とはいえ学生さんの読書量はおそらく激減しているのではないだろうか(先日図書館のパソコン室を使用したが、なんと2,3名しかいない。昔はほとんど満席だったのに)。実は、私もパソコンいじり出して、ジョブス復帰までは、よく不具合を出すマックのケアにやたら時間を食っていたので、それとは違うにしても、学生諸君が莫大なエネルギーをケータイ関係で費消しているのだろうと想像している。

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