アフガンで何が、なぜ起きたか

  上記について、毎日新聞で、2021/9/6の夕刊がかなり刺激的な記事を掲載していた(但し、有料):「アフガン政権崩壊 田中浩一郎・慶大教授と読み解く 米のおごりが招いた」(https://mainichi.jp/articles/20210906/dde/012/030/010000c?cx_fm=maildigital&cx_ml=article&cx_mdate=20210912)。

 ここでは、いつものように米国政府の世論操作を鵜吞みにしてしまった、調査報道抜きの我が国マスメディアが全然触れようとしない、米国政府の失策に関連しての田中教授の見解に言及しておきたい。「イラクと同様、アフガンでも米軍は傍若無人に振る舞った。現地の人々が強く反発し、政治家も苦り切っていることを米国は理解せず、理解しようともしなかった。これは個人的資質というより、米国の世界観に流れているある種のおごりの問題と言える」。教授の見解では今後のタリバンの政治方向は旧態への復帰以外にない、という。20年間のお仕着せの民主主義と女性解放のつけは現地のアフガン人がこれから自らの血で支払っていくわけである。

 私はそれを読んで、既視感にとらわれてしまった。ずぶずぶ中国大陸に足を取られていった日本軍とその政府の体たらく、である。その敗戦の分析はアメリカと比較しての後進性という視点からこれまでなされてきたが、そうしてみると、戦後のアメリカの世界警察のお役目は、朝鮮戦争、ベトナム戦争、イ・イ戦争、アフガン戦争と失敗の連続だったように思えてきて、要するに自分に都合のいい情報分析という落とし穴に、かつての日本と結局は同じ道を歩んでいたのでは、と。とまあこう考えると、理知的で分析的なアメリカ軍というイメージもかなり鍍金が剥がれて、陰陽でいうと、アメリカにも相当陰があった、という事実はそれとしてきちんと認識すべきであろう。

【追記1】こんな後追い記事がようやく出だしているが、遅きに失している。あれもこれもアメリカ寄りの情報依存のせいであろう。「アフガン撤退が炙り出した「米国は正義の味方」時代の完全なる終焉」(https://mail.nifty.com/mailer/pro/mailview.html)。

 今日も今日とて、「映像の世紀プレミアム」で第6集「アジア 自由への戦い」を見て、声高に民主主義を説教なさっている米英の欺瞞を再認識させられた。再度言っておこう。民主主義を踏みにじってきた歴史で原資蓄積してきたヨーロッパ先進国の「あんたに言われたくない」。

【追記2】朝日新聞がたった一人脱出し、パキスタンで取材を継続している安井浩美さんの連続記事を掲載し出したようだ(但し、有料:「ジャーナリストの安井浩美さん(前編) 【連載】特集「アフガニスタンを思う」(全8回)のうち最初の2回予定らしい:https://digital.asahi.com/articles/ASP9D1FCDP97UHBI01J.html?ref=mor_mail_topix1)。ここでは有料部分から以下のみ引用しておく。

 「でも今回、強い違和感を覚えたのは、世の中にウソが増えたっていうことやね。世論誘導のためにネット上にデマを流すようになった。SNSを駆使して反タリバン勢力を追い詰めていくプロパガンダの戦争が始まっている。そういうことへの不信も募っている」

 日本の政府もマスメディアも、そのウソを真に受けてきたわけである。やはり現地情報は蔑ろにできない。

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