久々に街に出る:痴呆への一里塚(26)

 3月に入ってすぐ、3つやっていた読書会をすべて休会にしたせいで、それまであれでも週2、3回は外出していたのだが、それが本当に家に引きこもり状態となって、いつのまにかまる四か月経っていた。ま、私にとってパソコンの前に座ってごそごそするのが通常行動で、別に苦にならないし、右足首が痛むということもあって出歩くのはご近所での買い物だけ。それですっかりイノブタになってしまい・・・。ところが、7月に入って義弟の相続関係も大詰めで、またまた昨日法務局練馬出張所に行って久々にお(小)役人の融通の気かなさに腹を立て、今日出直しで書類を出したり、ようやく他大学に依頼していた研究論文のコピーの到着連絡があったりで、その受領のため四谷に出かけたのだが・・・。

 なんとまあ、出張所への道順を忘れて通り過ぎてみたり、地下鉄で降車する駅を間違えたり(代々木なのに新宿で降りたり)、帰宅してみたら蛍光灯付けっぱなしだったり・・・。ささいなことだが、思い込みでの間違いばかりで、我ながらやれやれという感じだった。体が覚えているはずの感覚が消え去っていたというべきか、ボケが進んだというべきか。ま、日頃の運動不足解消にはちょうどいいけど、などと負け惜しみを言いながらよたよた歩き(お陰で、iPhoneで昨日は7242歩、本日は9541歩の由。なんだか多すぎる感じするが、とにかく先行する数日間は歩行数ゼロなのだから:ご近所での買い物にはケータイを持ち歩かない)。

 そして、簡単にお昼をとろうと四谷の行きつけの立ち食いソバ屋に入ってびっくり。狭い室内は従前以上におじさんたちサラリーマンで密集状態(昼食費の節約だろうたぶん)、お決まりのコロナ対策でのアクリル板もなにもなく、誰も利用しない消毒液設置だけで、小心者の私はこりゃあぶないと慌てて食べたせいか胃にもたれ・・・。

 大学では入試の時のように正門で教職員証をチェックされ、図書館に行くと、パソコン室も閲覧室も立入禁止で、辛うじて書架には入れて図書の貸借はなされていたが、当然のこと学生の姿はまったく見えなかった(さすがに理工学部棟では廊下からでも室内での人の気配が濃厚だったが)。偶然会った教員に聞くと、授業はすべてテレビで「やってみると結構できるもんですね」と。基本的に登学するな、という感じがまだ続いていたのだ。なにしろ当方リタイアしているので、大学からなんの通達も送られて来ておらず、浦島太郎さん状態。

 それにしても、大学のこのロック・アウト状態は、私的には1969-70年の大学封鎖(学生側+大学側)以来の状況である。誰かが書いていたが、今回、医学部系でも大学構内に入れない状況が続き、そのためむざむざ大学施設・機器の対コロナへの投入を不可能にしている現状もあるとか。これが事実とすれば、政府側は大学の研究施設的側面をすでに視野から葬り去り、初等・中等教育に連なる教育機関としてのみ位置づけてしまっていることになる。

 夕方に、ラテン語のテレビ会議で聞いた話だと、試験ができないのでどの科目もレポート提出ということになるが、思い通りに図書館も使えないし(大学によっては郵送での対応しかしていない由:余分の手間と郵送料がかかる)、10科目ものレポートを1,2週間の期限内で提出せよという無茶な話、その上新入生はレポートの書き方の手ほどきもされないままだし、語学関係で機械翻訳で提出したのがばれて怒られた学生がいた、とか(そういえば、例年だともう期末ですね)、まあ学生さんのほうも対応策として安直に逃げ切ろうと相変わらず智恵を絞っているようで、これには苦笑い。現職教員は、ウェブ掲載記事のコピー・レポートを見破る能力が必要とされることになるが、もとより教育という視点で勤労意欲のない諸先生方も手抜きで対応されるわけだから、大丈夫な気が私など全然しない。ま、私のこのブログなんか悪用されないように祈るばかりだ。

 この話の流れで、今日日パソコンで第二外国語など欧米語だと英語に翻訳するソフトがかなりよくなっていてそれなりに読めるので(語族の異なる日本語訳はまだ使い物にならないが)、ラテン語読書会参加の皆さんも独仏語なんか英語でザッと読むのに大いに利用している、という話に花が咲いたのだが、それをビックリして「へ〜〜」と聞いていたのはロートルの私だけだった。でも、テキスト化しないと翻訳ソフトにかけられないので、ocrスキャンでのスペルの正誤チェックの手間なんか考えると、どうなんだろうかなあ。

【追記】大学ロック・アウト余波の件は、新恭「国家権力&メディア一刀両断」 2020.07.16;但し有料。彼の情報の元講演は、7/3の日本記者クラブでの児玉龍彦東大名誉教授による:https://www.youtube.com/watch?v=8qW7rkFsvvM(これの42ー45分あたりと、最後の5分)。一見(視聴)の価値あり。最後の件には元厚生医療技官のわが嫁さんも激しく同意してた。文字的には以下も参照:https://blog.goo.ne.jp/sa-1223/e/272cdb4bc20c33617ed434359666b884

児玉達彦名誉教授(1953年ー)
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