映画「羅生門」:遅報(35)

 今、NHK BS 4Kで映画「羅生門」(1950年)をやっていて、見るともなく聞いている。言わずとしれた芥川龍之介作『藪の中』と『羅生門』が原作である。大学での「歴史学研究入門」で教材として使ったこともある。人間とはいつでもどんな場合でも平気で嘘をつける存在なのだ。100人いれば100の事実が存在する。その現実の中で何を基準にして歴史的事実を見定めることができるというのか。それを考えてほしかったからだ。

 映画の最後で、薪売りが捨て子を包んでいた衣服を持ち去ろうとする下人から「手前勝手のどこが悪い! そういうお前は何をやった。検非違使は誤魔化せたのだろうが、螺鈿造りの短刀を盗んだのはお前だろう」と、図星を突かれてしまう。そのままでは人間不信のまま話が絶望で終わらざるを得ないが、その薪売りが捨て子を育てる決心をすることで、人間を信じることができるというオチとなる。

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