フォロ・ロマーノ見学での注意点

 昨年の渡伊では失敗をした。それはフォロ・ロマーノの入場券でこれまで通り通常の12ユーロを購入したのだが、16ユーロの特別入場券Super ticketを購入すれば、ここ数年閉鎖されていたアウグストゥスの家Casa di Augustoやもう10年以上入れなかったリウィアの家Casa di Liviaなど7カ所の見学が可能になるが(ちなみに他は、Criptyoportico Neroniano, Museo Palatini, Aula Isiaca-Loggia Mattei, Tempio di Romalo, Santa Maria Antiqua[相変わらずRampa imperiale付き公開なのはうれしいが、教会でデジタル映像はもうやっていなかった])、それは一旦構内に入るともう修正が効かなかったことだ。逆にいうと、博物館とかこれまで追加料金不用で見ることできた重要な場所を見られなくなった、わけである。

 今年の5月にはいつものように、いつも空いているグレゴリオ通りから入ったのだが、なんとこれまでになく1時間くらい行列するはめになった(その前にコロッセオは予約入場券を持参していたが、あまりの行列に諦めた:否、並んでいたのだがなぜか3列あって[バウチャーのガイドだと2列のはずなのだが]、入場直前になって係員から「我らの会社の券ではない」とわけのわからないことを言われ、列外に出されてしまったので、腹を立てたてやめたのだ:あとから考えると、そこは現地での客引きされた人が並ぶ列で、本当は本来の2列目とおぼしき真ん中の列に並ぶべきだったのだろう)。ともかく今回はどこもひどい人出で、サンピエトロ大聖堂に入るのも、フィレンツェでダビデ像を見るのも諦めた。なぜか今年春に訪れた京都や奈良のうんざりするような観光客の群れがそのまま移動してきたような感じだった(が、イタリアでのその主体は東洋人ではなく、白人だったのはどういうわけなのだろう、疑問である)。

やっと入り口が見えだして撮った写真:S字型の行列

 グレゴリオ通り入り口に掲示されていた料金表を見ると、これまではコロッセオと共通券だったはずなのにそれは書いてなかったので、制度変更があったのかも知れない。ともかく12ユーロ払って正午ごろに入場したが、昨年から無料公開(但し、昨年は時間制限あったはず)された緑の散歩道Percorsi nel Verdeを、またまたなつかしさのあまり回ったり、簡単な昼食休憩していたので、時間切れで全部回ることはできなかった。だから全部見るとしたらそれだけで一日仕事となるだろう。

 しかし、制度が変わるのは日常茶飯で、なにごとも計画性や永続性がないイタリアのこと[30年前になるだろうか、至るところで行われていたGruppo archeologicoの遺跡公開も、20年前くらいからあって便利この上もなかったArcheoBusも、今は昔、なくなってしまった:でもこんな昔話していると、永続性ないというのがおこがましい年月の流れであったのだなあ、と気付かざるをえないが]、入れるときに入っておかないと、次にいつ見ることができるかわからない。先のない身としてはどうしても欲張りたくなるのだが、足が思うに任せれなくなっていて、これはもうジレンマである。

 今回の訪問で意表を突かれたのは、フォロ・ロマーノでの、コンスタンティヌスのバシリカとロムルス廟の間の小道vicus ad Carinasで、ウェスパシアヌスのフォロと平和の神殿につながっている箇所が整備されてすべて無料公開されていたことで、私的にはバシリカのエクセドラに安置されていたコンスタンティヌスの巨像の破片が落下していたはずの場所でもあり、これまでずっと横目でうらめしく眺めていた箇所だったので、たいへん嬉しかった(こういうサプライズがあるのもイタリアなのである)。この小路地からだと、コンスタンティヌスのバシリカ(Basilica Nova)の地下部分をかすめ、セプティミウス・セウェルス時代に大理石版の「Forma Vrbis Romae」(首都ローマ地図)が貼られていたという壁も間近で見ることができて、私など感無量となる(ウェスパシアヌスのフォロに入ることは現段階ではできない)。

聖道から北に折れる
この上にコンスタンティヌスの巨像があった
この壁は平和の祭壇の内壁だったが、そこに首都ローマ地図が貼られていた由
左が復元想像図、右が現在の壁面での地図断片の想定位置

【続報】2019年9月に再訪したとき、予想通りというべきか、当たり前のように、この通路は閉鎖されていた。「緑の散歩道」は予想通り逆に常時開設となっていた。だが、というべきか、7施設見学料をとられていたのに、午後から向かったフォロの2箇所は係員がいなくて、要するに見学できなかった。

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